認知症の家族の不動産売却で失敗しないために!成年後見制度の完全ガイド

query_builder 2022/10/20
不動産売却
成年後見制度で不動産を売却 - 認知症になった親や配偶者の不動産を売る方法

『認知症の親の家を売りたいけど、どうすればいいのかわからない...』

『将来に備えて、今のうちに対策をしておきたい...』


このような不安や悩みを抱えていませんか?


実は、認知症の方の不動産売却には特別な法的手続きが必要です。手続きを誤ると、せっかくの売買契約が無効になってしまうケースもあります。


本記事では、認知症の方の不動産売却に必要な「成年後見制度」について、わかりやすく解説します。


この記事を読むことで:

・成年後見制度の基本的な仕組みがわかる

・不動産売却までの具体的な手順がわかる

・よくある失敗例と対策がわかる


これから、実際の相談事例を交えながら、具体的な進め方をお伝えしていきます。


成年後見制度で不動産売却

なぜ、成年後見制度が重要なのか

深刻化する認知症問題

2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。つまり、多くの家族が「認知症の家族の不動産をどうするか」という課題に直面することになります。

売却できない不動産の問題

認知症により判断能力が低下すると、本人は有効な契約を結ぶことができなくなります。


その結果:
・空き家の維持管理ができない
・資産価値が年々低下してしまう

といった問題が発生します。

制度を利用しないリスク

認知症の方の不動産売却において、成年後見制度を利用せず、家族だけで対応しようとすると、以下のような問題が発生する可能性があります。

契約の有効性に関するリスク
・認知症により判断能力が不十分な状態での契約は、法的に無効となる可能性があります
・不動産業者が取引を躊躇し、売却機会を逃すリスク

売却手続きの遅延リスク
・売却手続きの途中で本人の判断能力が問題となり、取引が止まる
・後見人の選任が必要となり、結果的に長期間を要する
・その間に不動産価値が下がってしまう

実際の相談事例では、認知症の父親の不動産を売却しようとしたところ、不動産業者から「成年後見人の選任が必要」と指摘され、結果的に売却までに半年以上の時間を要したケースがありました。

成年後見制度とは

制度の基本的な仕組み

成年後見制度は、認知症や精神障害などで判断能力が十分でない方の権利を守り、法律面や生活面を支援する制度です。


不動産売却においては、成年後見人が本人(被後見人)に代わって、以下のような行為を行います。
・不動産売買契約の締結
・売却価格の交渉
・売却代金の管理
・その他必要な法的手続き

後見制度の3つの種類

判断能力の程度に応じて、以下の3種類があります。

後見
・判断能力が欠けているのが通常の状態
・後見人がほぼすべての法律行為を代理
・認知症が進行している方に適用

保佐
・判断能力が著しく不十分
・重要な財産行為に同意が必要
・軽度の認知症の方に適用

補助
・判断能力が不十分
・特定の法律行為について支援
・認知症の初期段階の方に適用

不動産売却における重要ポイント

成年後見人の権限
・日常的な財産管理から重要な法律行為まで可能
・ただし、居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必要

後見人の種類
・親族後見人(配偶者、子、兄弟姉妹など)
・専門職後見人(弁護士、司法書士、社会福祉士など)
・近年は専門職後見人の割合が増加傾向

制度利用のメリット
・法的に安全な取引が可能
・専門家のサポートが受けられる
・本人の権利が守られる

不動産売却までの具体的なステップ

ステップ

STEP1:成年後見人の選任申立て

申立ての準備
・申立書の作成
・診断書の取得(本人の判断能力を医師が証明)
・戸籍謄本等の必要書類の収集


費用の目安
・申立て手数料:800円
・登記手数料:2,600円
・診断書取得:5,000円〜10,000円程度
※その他、鑑定費用等が必要になる場合があります

処理期間
・申立てから成年後見人選任まで:約2〜3ヶ月
※ケースによって前後する可能性があります

STEP2:不動産売却の準備

不動産の価格査定
・複数の不動産業者に依頼
・適正価格の把握
・売却方針の決定

媒介契約の締結
・不動産業者の選定
・一般媒介契約か専任媒介契約かの選択
・成年後見人の権限で契約締結

STEP3:家庭裁判所の許可申立て

必要書類
・許可申立書
・売買契約書案
・価格根拠資料(査定書等)
・本人の生活環境に関する資料

申立ての理由
・売却の必要性
・売却後の本人の住環境
・売却価格の妥当性

処理期間
・申立てから許可まで:約1〜2ヶ月
※案件により変動する可能性があります

STEP4:売買契約の締結から決済まで

売買契約締結
・家庭裁判所の許可を得てから契約
・成年後見人の資格を証する書類の提示
・契約内容の最終確認

決済・引き渡し
・売買代金の受領
・物件の引渡し
・登記関係書類の授受

知っておくべき重要ポイント

注意点

売却前の重要な確認事項

本人の状況確認
・現在の居住状況
・売却後の生活プラン
・介護サービスの必要性

財産状況の把握
・不動産の権利関係
・固定資産税等の未納の有無
・抵当権等の担保権設定の有無

専門家の活用方法

弁護士への相談が有効なケース
・権利関係が複雑
・親族間で意見が分かれている
・係争のリスクがある

司法書士への相談が有効なケース
・登記関係の確認
・後見申立ての手続き支援

・相続関係の整理

不動産業者の選び方
・成年後見案件の取扱実績
・地域の相場に詳しい

・丁寧な対応と説明

売却に関する費用

必要な費用の内訳
・不動産仲介手数料:売却価格の3%+6万円(税別)
・登記費用:10万円程度
・その他諸経費:数万円

後見人の報酬
・親族後見人の場合:月2万円程度が目安
・専門職後見人の場合:月3〜5万円程度が目安
※財産規模や業務内容により変動

よくある質問と回答

Q1. 後見人は必ず専門家に依頼する必要がありますか?
A1. いいえ。親族が後見人になることも可能です。ただし、財産管理が複雑な場合は、専門家への依頼をお勧めします。


Q2. 売却までどのくらいの期間がかかりますか?
A2. 後見人選任から売却完了まで、通常4〜6ヶ月程度です。ただし、案件により大きく変動する可能性があります。


Q3. 後見制度を利用せず、委任状で対応できませんか?
A3. 認知症により判断能力が不十分な場合、委任状による対応は認められません。成年後見制度の利用が必要です。

まとめ:成功する売却のためのチェックリスト

まとめ

✅ 事前準備のチェックポイント

□ 本人の判断能力の状態を医師に相談
□ 親族間で売却方針について話し合い
□ 本人の今後の生活プランを検討
□ 不動産の権利関係を確認
□ 必要な費用の見積もり

✅ 手続きの進め方チェック

□ 成年後見人選任の申立て
□ 不動産業者の選定
□ 適正価格の査定
□ 家庭裁判所への許可申立て
□ 売買契約の締結
□ 決済・引渡し

最後に

成年後見制度を利用した不動産売却は、手続きは複雑ですが、本人と家族の双方を守るための重要な制度です。


特に以下の3点がポイントとなります。
・早めの対応が重要
・専門家への相談を検討
・書類や手続きの準備を慎重に

ご不明な点がありましたら、まずは弁護士や司法書士などの専門家にご相談ください。

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