「古い家は壊してから」で損をする──流山で古家付き土地を売る前に確かめる3つのこと

query_builder 2026/07/25
不動産売却
「古い家は壊してから」で損をする

実家を売ろうと決めて、多くの方がまず考えるのが「古い家は、壊してから売ったほうがいいのだろうか」ということです。更地のほうが買い手はつきやすい気がしますし、古家が残ると値が下がるとも聞きます。ところが、壊す前に一度立ち止まらないと、戻ってこない大きなお金をかけてしまうことがあります。


この記事では、流山市で戸建・古家付き土地の売却を考えている方に向けて、壊す前に確かめたいことを整理します。更地にすると何が起きるのか。そして「解体して売る/古家付きのまま売る/現況のまま買取に出す」という3つの道を、費用・税・期間の面から並べて考えます。壊すか残すかを決めるのは、そのあとで十分です。

見積書を前に、手が止まっていませんか

解体業者から届いた見積書。木造の実家を更地にするのに、思っていたよりずっと大きな金額が並んでいます。残置物の処分、アスベストの調査、狭い前面道路。項目ごとに費用が積み上がって、総額を見て、手が止まる。


「ここまでお金をかけて、本当に取り戻せるのだろうか」


そう感じているとしたら、その感覚は、決して神経質すぎるものではありません。売る前にかけるお金には、戻ってくるものと、戻ってこないものがあります。そして解体費は、多くの場合、後者です。まずは「壊すと何が起きるか」を、費用と税の両面から見ていきます。

なぜ「壊してから」と思ってしまうのでしょうか

結論:更地のほうが買い手はつきやすいのは事実です。ただ「売りやすさ」は売主の手取りが増えることと同じではなく、解体費はあなたの先払いになります。


更地のほうが売りやすい、というのは一面では本当です。買い手が家を建てる前提なら、古家が建っているより、更地のほうが新しい暮らしを想像しやすいからです。不動産の現場でも「更地にしたほうが早く決まりますよ」と勧められることは少なくありません。


ただ、その「売りやすさ」は、売る側の手取りが増えることと同じではありません。更地にするには、あなたが先に解体費を負担する必要があります。そして一度更地にすると、あとで「やっぱり古家付きで」と戻すことはできません。壊すという判断は、後戻りのできない、費用の先払いをともなう選択です。だからこそ、勧められるままにではなく、順番に確かめてから決めたいところです。

更地にすると、固定資産税はどうなりますか

結論:住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」で固定資産税が軽くなっています。更地にするとこの特例が外れ、土地の税負担が上がります。よく「6倍になる」と言われますが、実際の増え方は物件により3〜4倍程度にとどまることもあります。


土地の上に住宅が建っていると、固定資産税の課税標準が、200平方メートル以下の部分で6分の1、それを超える部分で3分の1に軽減されます(地方税法349条の3の2)。都市計画税も同じように3分の1・3分の2に軽くなります。判定の基準日は毎年1月1日です(同法359条)。つまり、1月1日の時点で家屋が建っているかどうかで、その年度の扱いが決まります。


「更地にすると固定資産税が6倍」という言葉をよく耳にします。これは、固定資産税の課税標準が最大で6分の1に軽減されている、その裏返しの数字です。ただ、実際の税額がそのまま6倍になるとは限りません。都市計画税の軽減はもともと3分の1まで(外れても3倍側)ですし、負担調整という仕組みで満額まで課税されていないことも多く、さらに建物を壊せば建物にかかっていた税は消えます。これらを合わせると、土地の税負担の増え方は物件によって数倍、目安として3〜4倍程度に収まることもあります。「6倍」と単純に身構える必要はありませんが、更地化で税負担が上がるのは確かです。


もう一つ知っておきたいのが、空き家のまま放置した場合の話です。2023年12月に施行された改正空家法(令和5年法律第50号)で、「特定空家」の一歩手前の状態として「管理不全空家」が新設されました。市区町村から勧告を受けると、家が建っていても住宅用地の特例が外れる可能性があります(国土交通省)。「壊さずに置いておく」という選択も、管理を怠ればこの対象になりうる、という点は頭の隅に置いておきたいところです。

解体費は、いくらで、なぜ戻ってこないのでしょうか

結論:木造の解体費は坪あたりおおむね3万〜5万円、30坪で90万〜150万円が目安です。残置物・アスベスト・狭い立地などで数十万円単位で上乗せされることがあり、この費用は売却代金にそのまま反映されるとは限りません。


木造住宅の解体費は、坪あたりおおむね3万〜5万円が一つの目安とされています。30坪でおよそ90万〜150万円、40坪なら120万〜200万円ほどです(SUUMO)。ただ、これはあくまで本体工事の目安で、実際にはここに上乗せされる費用がいくつもあります。

とくに大きいのが、残置物の処分です。家財や家電が残ったままだと、産業廃棄物として扱われて費用がふくらみます。ご自身で片付けられるものを片付けておくだけで、金額が数十万円変わることもあります。解体業者と残置物の処分業者は別であることが多いので、そこも確認しておくと安心です。


さらに、古い家ほど注意したいのがアスベスト(石綿)です。2022年4月から、床面積80平方メートル以上の建物解体などでは、石綿の事前調査結果を行政に報告することが義務づけられています。2023年10月からは、その調査を有資格者が行うことも、建物については義務化されました(環境省)。含有建材があれば、調査や除去の費用が加わります。このほか、前面道路が狭くて重機が入らない、地中に古い基礎などが埋まっている、といった条件でも費用は上振れします。付帯工事まで含めると、30坪の木造でも総額が100万〜200万円を超えることがあります。


これだけの費用をかけても、そのまま売却価格に上乗せされるとは限りません。買い手にとって「更地」は前提にすぎず、あなたが負担した解体費の分だけ高く買うわけではないからです。これが「解体費は戻ってこない」と申し上げる理由です。

それでも解体を勧められるのは、なぜでしょうか

更地のほうが買い手はつきやすく、販売する側にとっても扱いやすい。だから「まず更地に」と勧められること自体は、自然な流れでもあります。ただ、そこには利害の向きの違いがあります。更地にするための解体費を負担するのは、あくまで売主であるあなたです。そして、いったん更地にして税負担が上がり始めると、「早く売ってしまいたい」という焦りが生まれ、その焦りが値引きの圧力になることもあります。


明紗は、買取という形で、私たち自身が買主として直接お引き受けすることもある会社です。だからこそ、この利害の構造は正直にお伝えしておきたいと思っています。「壊してから」と勧められたとき、それが誰の費用で、誰の都合なのかを一度立ち止まって確かめる。それだけで判断は落ち着きます。


親が長く暮らした家を、自分の判断で壊してしまっていいのか──そう迷う気持ちは、とても自然なものだと思います。焦って結論を出さなくて大丈夫です。壊す前にできることは、まだ残っています。

壊す前に、3つの道を並べて考えましょう

解体して更地で売る・古家付きのまま仲介・現況のまま買取の3つの道を、先にかかるお金・固定資産税・期間・手間・手取りで並べた比較表と、解体仲介が向く人・現況買取が向く人を示した分岐図

結論:古家付き土地の手放し方には、「解体して更地で売る」「古家付きのまま仲介で売る」「現況のまま買取に出す」の3つがあります。手取り・期間・手間・確実性は道によって異なり、状態や立地が良ければ仲介のほうが手取りが多くなることもあります。

壊すか残すかの二択で考えると行き詰まりますが、手放し方は実際には3つあります。向き・不向きを並べてみます。上の図は、その3つの道を費用・税・期間・手間・手取りで並べ、どちらが向くかの分かれ道をまとめたものです。


一つ目は、解体して更地で売る道です。買い手が見つかりやすく、価格の目安も立てやすい一方、解体費を先に負担し、更地にした分だけ固定資産税の特例が外れます。「更地にした価格から古家付きの価格を引いた差が、解体費を上回る」なら、解体に合理性が出てきます。逆に、その差が解体費に届かないなら、壊す必要はないという判断になります。


二つ目は、古家付きのまま仲介で売る道です。解体費をかけず、買い手が建て替えや活用を前提に検討します。時間をかけて条件の合う買い手を探せるため、状態や立地が良ければ、この道がいちばん手取りが多くなることも少なくありません。ただし、買い手が現れるまでの期間は読みにくく、その間の保有コストはかかります。


三つ目は、現況のまま買取に出す道です。解体も残置物の処分もリフォームも必要なく、家財が残ったままでもお引き受けできます。期間が読みやすく、手間が少ないのが特徴です。一方で、買取価格は再販を前提とするため、時間をかけた仲介の想定価格を下回りやすい構造があります。ここは正直にお伝えしておきます。買取と仲介のより詳しい比較は、買取と仲介、どちらで売る?でも整理しています。


どの道が良いかは、家の状態、立地、そして「いつまでに・どれだけ手間をかけられるか」というあなたのご事情で変わります。お急ぎでなく状態が良いなら仲介、家財ごと早く手放したい・現況のままがよいなら買取、というように、正解は一つではありません。

お金をかけるなら、どこにかけるとよいでしょうか

結論:売却のための高額な内装リフォームは、かけた費用を回収しにくいため、原則としておすすめしません。お金をかけるなら、外壁・屋根・シロアリ・基礎など、買い手の安心に直結する部分と、建物の状態を確かめる調査です。


「きれいにしてから売りたい」というお気持ちはよくわかります。ただ、売却を目的とした数百万円規模の内装リフォームは、その分だけ高く売れるとは限らず、費用を回収しにくいのが実情です。築浅であれば、傷んだクロスや不調な設備の部分的な手直しと、ハウスクリーニングで十分に整います。築十数年を超える場合は、内装はむしろ買い手が自分の好みで選びたいと考えることが多く、「好みを選べる」ことが中古の魅力にもなります。


お金をかけるなら、外壁・屋根・シロアリ・基礎といった、買い手の安心に直結する部分です。あわせて、建物状況調査(インスペクション)で家の状態を確かめておくと、指摘された箇所だけを手当てでき、買い手の安心にもつながります。費用は戸建で6万円程度からが目安で、詳細な診断を加えると10万〜20万円程度になることもあります(国土交通省の手引き)。残置物は、先ほど触れたとおり、ご自身で片付けられる分を片付けておくだけで費用が変わります。境界や外構まわりの確認については、境界確定測量は本当に必要?もあわせてご覧ください。


なお、流山市には通学路沿いの危険なブロック塀等を撤去する場合の補助(事業費の2分の1、上限は一辺10万円または1メートルあたり2万円のいずれか低い額)があります(流山市)。一方、老朽危険空き家そのものの解体費への補助は、2026年7月時点では市の公式情報で確認できませんでした。制度は年度で変わるため、適用可否は市の建築住宅課へご確認ください。

現場から

明紗では、流山市の売主様から「実家をどうすればいいか」というご相談を、日々お受けしています。家財が残ったままの古家を前に、片付けから始めるべきか、いっそ壊すべきか、何から手をつけていいかわからない──そんな状態でいらっしゃる方は、とても多いのです。


私がお伝えしているのは、まず壊す前に、現況のままだといくらになるのかを一度知ってから決めましょう、ということです。更地にするのは、そのあとでもできます。順番を変えるだけで、無駄な費用をかけずに済むことがあります。千葉県の中古戸建の成約は、2026年1〜3月期で件数・価格とも前年を上回っており(東日本レインズ)、古家付きのままでも買い手がつきやすい市場環境がうかがえます。壊さなければ売れない、と思い込む必要はありません。

家財が残っていても、傷んでいても、まずは現況のままお持ちください。空き家・古家の買取相談は、現況のまま・解体不要でお受けしています。


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代表メッセージもあわせてご覧いただけます。

古家付き土地を売る前の、よくあるご質問

Q. 家を解体すると、固定資産税はいつから上がりますか。

固定資産税は毎年1月1日時点の状況で決まります(地方税法359条)。1月1日をまたいで更地になっていると、その年度から住宅用地の特例が外れます。解体の時期によって当年度の扱いが変わるため、年末年始をまたぐ場合はタイミングにご注意ください。


Q. 残置物があっても家は売れますか。

売れます。仲介でも、家財が残ったままで売り出せる場合はありますし、買取であれば現況のまま、残置物ごとお引き受けできることが多いです。ご自身で片付けられる分を片付けておくと、解体する場合の費用は下がりますが、「片付けてからでないと相談できない」ということはありません。


Q. 「更地にすれば早く売れる」と言われました。壊したほうがよいのでしょうか。

更地のほうが買い手はつきやすい傾向がありますが、解体費はご自身の負担で、そのまま売却価格に上乗せされるとは限りません。「更地価格と古家付き価格の差が解体費を上回るか」を一つの目安に、費用・税・期間を並べて判断されることをおすすめします。


Q. 木造30坪の解体費は、だいたいいくらですか。

木造で坪あたり3万〜5万円、30坪でおよそ90万〜150万円が目安です(SUUMO)。ただし残置物の処分、アスベストの調査・除去、狭い立地などで数十万円単位の上乗せがあり、総額が100万〜200万円を超えることもあります。複数社の見積もりで確認されると安心です。


Q. 売る前にリフォームしたほうが高く売れますか。

売却目的の高額な内装リフォームは、費用を回収しにくいため、原則としておすすめしていません。お金をかけるなら、外壁・屋根・シロアリ・基礎など買い手の安心に直結する部分や、建物状況調査です。内装は買い手が好みで選びたいと考えることも多く、無理に手を入れないほうがよい場合もあります。


Q. 相続した実家で、まだ名義の手続きが済んでいません。それでも相談できますか。

ご相談いただけます。相続の手続きや登記については、相続した実家・空き家の売却でも整理していますので、あわせてご覧ください。手続きと並行して、売り方の見通しを立てておくことができます。

まとめ──「壊してから」の前に、「壊さずいくらか」を知る

まとめ

古い家を売るとき、「壊してから」「きれいにしてから」と、先に大きなお金をかけたくなります。けれど、解体費も高額な内装リフォームも、かけた分だけ戻ってくるとは限りません。更地にすれば固定資産税の特例が外れ、後戻りもできません。だからこそ、壊す前に、①更地にすると何が起きるか、②解体して売る・古家付きで売る・現況買取の3つの道、③お金をかけるならどこか、を順番に確かめたいのです。


正解は一つではありません。状態や立地が良ければ、時間をかけた仲介がいちばん手取りが多いこともあります。家財ごと早く手放したいなら、現況のままの買取が向いていることもあります。一軒の家には、一軒の物語があります。その締めくくりを、慌てて「処分」してしまう前に、まずは現況のままいくらになるのかを知るところから始めてみてください。ご相談は無料です。


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本記事に関するご注意

  • 本記事の内容は、執筆時点(2026年7月)の法令・税制・市場動向に基づいています。最新情報は管轄機関の公式情報をご確認ください。
  • 個別具体的な不動産売却・税務・法務のご相談は、宅地建物取引業者・税理士・弁護士など各分野の有資格者へのご相談をお勧めします。固定資産税の住宅用地特例や解体費、補助制度は、物件や年度・自治体により個別に判断されます。
  • 本記事に記載された金額・期間・条件は一般的な目安であり、お客様の物件・状況により異なります。正確なお見積もりは無料査定をご利用ください。
  • 明紗は買取において買主として直接買い取る立場であり、仲介の査定とは利害構造が異なります。仲介のほうが手取りが多くなるケースもあり、その場合は正直にお伝えしています。

時間をかけて高く売りたい場合は、仲介での売却相談も承ります。

宅地建物取引業 千葉県知事第17957号
合同会社明紗

この記事を書いた人

中山裕章/合同会社明紗 代表

宅地建物取引士。流山市・柏市・松戸市・市川市の売却と買取を一貫してご担当しています。他社で断られた物件こそ、まずはMEISAに——を約束に、解体するか・古家付きで売るか・現況のまま買い取るか、売主様のご事情に合う手放し方をご提案しています。査定根拠開示・最短15営業日決済。流山の相場感を大切に、一軒に一つの物語を。/代表メッセージ

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本社〒270-0137 千葉県流山市市野谷168番地19
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事業内容不動産売買(買取・分譲)/不動産仲介(売買)/不動産賃貸/不動産活用の企画・コンサルタント
免許番号千葉県知事(2)第17957号
メールmeta-meisa@memoad.jp
URLhttps://meisa-estate.com
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