相続した広い土地・大型地の売り方──「売るか・活かすか」を決め、壊さず・空けて・分けて手取りを残す(流山市)
使われなくなった離れ。庭には、親御さんが植えた木が大きく育っている。流山の旧い住宅地には、いまもそんな広い屋敷地が、静かに残っています。相続をきっかけに、初めて「この土地をどうしよう」と向き合う方は、少なくありません。
「広いのですから、きっと高く売れますよね」。最初のご相談で、そう仰る方は多いです。けれど、広さは、そのまま値段に比例するとは限りません。この記事では、相続などで受け継いだ広い土地・大型地を「売る」と決めた方に向けて、手元に残るお金を少しでも多くするための"順番"を、流山市の事情に即してお話しします。
相続した広い土地を前にすると、迷うことばかりです。まず更地にして綺麗にしたほうがいいのか。古い家は壊すべきか、残すべきか。そもそも、これほど大きな土地を、いったい誰が買うのか。兄弟で意見が分かれ、話が止まってしまう。そんなご相談を、明紗では何度も伺ってきました。
広い土地には、広いなりの難しさがあります。ふつうの戸建て用地のように、そのまま一人の買い手へすっと売れるとは限りません。けれど、扱いにくいとされる土地ほど、動かし方には順番があります。その順番次第で、手取りも、かかる時間も、ずいぶん変わってきます。
広い土地は「広いから高い」とは限らないのでしょうか?
結論:広さは、値段に直結しません。駅からの距離・土地の形・接道の条件で評価は大きく分かれ、広すぎることがかえって買い手を狭めることもあります。
いまの土地の値段は、同じ市内でも、じわじわ上がる場所・横ばいの場所・下がる場所の三つに分かれつつあります。駅に近く形の整った土地は評価が伸びやすく、駅から離れた土地や不整形な土地は、伸び悩む傾向があります。とくに徒歩10分を超えると、物件情報を絞り込む検索で表示されにくくなり、買い手の目に触れる機会が減ることもあります。
土地の形も、値段を左右します。角地や整った形(整形地)は評価が上がりやすい一方、間口が狭い土地や、旗竿状の敷地延長(=道路から細い通路で奥につながる土地)は割り引かれやすくなります。そして広い土地は総額が大きくなり、個人が住宅ローンで買える範囲を超えると、買える人が限られてしまうのです。
流山市でも、令和8年の公示地価は住宅地が前年比13.3%上昇と堅調です(日本経済新聞/令和8年地価公示)。ただし坪単価は、例えば、流山おおたかの森と江戸川台とでは大きく異なり、同じ市内でも地点による差が大きいのが実情です。「広いから」ではなく、「どこの・どんな形の土地か」で値段は決まります。
相続した大きな土地は、まず何を決めればよいのでしょうか?
結論:最初に決めるのは「売るか・活かすか」です。数字を比べる前に、ご家族の気持ちがどちらに傾いているかを、言葉にすることをおすすめします。
相続した土地の使い道は、大きく「売る」と「活かす(貸す・建てる)」に分かれます。ここで数字だけを先に走らせると、「先祖代々の土地だから残したい」という気持ちと、「現金にして次の暮らしに充てたい」という考えがぶつかり、家族の話がこじれてしまうことがあります。
そこでおすすめしているのが、順番です。まず、ご家族の気持ちが「売る」「残す」のどちらに傾いているかを、率直に言葉にしていただく。そのうえで数字を確かめると、判断がぶれにくくなります。なお「活かす」道、つまり賃貸マンションやアパートを建てて経営する選択には、建築費・借入・空室のリスクなど、売却とはまったく別の判断が必要です。この記事では、「売る」と決めた方に絞ってお話しします。
上の図は、売ると決めたあとに手取りを残すための順番をまとめたものです。
売ると決めたら、家はどう手放すのがよいのでしょうか?
古い家は、壊さないほうがよいことが多い
結論:多くの場合、古い家は壊さず「現況のまま」売るほうが有利です。買い手の多くは建て替えを前提にしており、更地にすると税金の負担が増えることもあります。
理由は三つあります。ひとつは、広い土地を買う方の多くが建て替えを前提にしている点です。解体は、買い手側が手配したほうが割安に収まることが少なくありません。売り主が先に壊しても、その費用が売値にそのまま上乗せできるとは限らないのです。
ふたつめは、古い家ほど地中の状態が読みにくいことです。古い基準で建てられた家の下には、思わぬ埋設物が残っていることがあります。掘ってから何かが出てくると、調査などで時間がかかることもあるため、掘らずに現況のまま売るほうが安全な場合があります。
みっつめが、税金です。住宅が建っている土地は、固定資産税の課税標準が軽減されます。200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は6分の1、200平方メートルを超える部分(一般住宅用地)は3分の1です(住宅用地特例/地方税法第349条の3の2)。ところが、賦課期日である1月1日の時点で建物を取り壊して更地にしていると、翌年度からこの軽減が外れ、負担が増えます。「6倍になる」と言われることもありますが、負担調整のしくみなどにより、実際の増え方は土地によって異なります。
こうした理由から、古い家が建ったままの「古家付き土地」を現況で売るのは、有力な選択肢です。その際、契約不適合責任(=引き渡した不動産が契約の内容に合わない場合の売り主の責任/民法第562条ほか)を特約でどう扱うかは、状態に応じて専門家と設計します。なお、境界や測量の要否は、境界確定測量は本当に必要?で詳しくお話ししています。
「空っぽ」と「満室」、どちらで売るか
結論:ご自宅として使ってきた建物は、空室(退去後)のほうが高く売れやすい。賃貸を併設している場合は、契約の形態から逆算して段取りします。
不動産が高く動きやすいのは、「空っぽ」か「満室」のどちらかだと言われます。居住用の建物は、住む人が決まっていない空室の状態のほうが、買い手が自分の使い方を描きやすく、評価が上がりやすい傾向があります。
一方、敷地に賃貸を併設している場合は、少し事情が変わります。入居者がいる建物では、貸し主の都合だけで退去を求めるのは容易ではありません。契約の更新拒絶や解約の申し入れには「正当の事由」が必要とされ(借地借家法第28条)、立退料や解体費もかかります。
入居中のまま売る(オーナーチェンジ)道もあり、その場合の価格は、主に家賃と利回りから評価されます。「土地代+建物代」の合計になるとは限らない、という点は知っておくとよいと思います。
大きな土地の「分け方」は、何に気をつければよいのでしょうか?
「開発許可」にかかるかが分岐点
結論:「開発許可」にかかるかどうかが分岐点です。道路を新しく作る・廃止するような分け方は時間と費用がかさむため、既存の道路を活かせる分け方を先に考えます。
開発許可とは、主に建物を建てる目的で土地の区画や形・性質を変える「開発行為」に必要となる許可です(都市計画法第4条第12項・第29条)。道路を新設したり廃止したりして区画を作り替えると、この開発行為にあたります。流山市では、市街化区域で概ね300平方メートル以上の開発行為(区画形質の変更を伴うもの)が、開発許可や事前協議の対象になります(流山市開発事業の許可基準等に関する条例/流山市宅地課)。全国の原則は市街化区域で1,000平方メートル、首都圏近郊整備地帯などでは500平方メートルですが、流山市はこれを条例で引き下げています。
ここで大切な区別があります。単に登記のうえで土地を分ける「分筆」だけであれば、開発行為には当たらないのが原則です。すでにある道路に接した区画へ分けるだけなら、開発許可が不要な場合もあります。分かれ目は、「道路を作り替えるなど区画形質の変更を伴うかどうか」です。まずは既存の道路を活かせる分け方を検討すると、時間も費用も抑えやすくなります(個別の判断は流山市の窓口や専門家にご確認ください)。
敷地内にご自宅がある場合は、「残す・売る」を最初に決めることから始めます。売った後で、近くに希望どおりの代替地を買い直すのは難しいことが多いためです。自宅を残すなら、残す部分をどう切り取るかが、分け方の出発点になります。
現場から
明紗では、一般の方が住宅ローンで買うには大きすぎる土地——いわゆる大区画のご相談も、正面からお受けしています。
流山市で親御さんの広い土地を受け継いだ売主様から、「売るべきか、貸すべきか」と迷うお声を、いまも度々伺います。
私は、答えを急ぐ前に、ご家族の気持ちが「売る」「残す」のどちらに傾いているかを、まず言葉にしていただくようにしています。順番を間違えると、数字の話が、家族の話をこじらせてしまうからです。そして、こうした「扱いにくい」とされる土地こそ、業者として直接お引き受けできる明紗の役割だと考えています。
広さを持て余す土地にも、一軒の家と同じように、そのお宅なりの物語があります。
広い土地・更地の出口にお悩みでしたら、現況のまま、下記よりご相談ください。分け方から一緒に考えます。
大きな土地は、結局だれが買う?買取と仲介はどちらが得?
結論:大区画・要開発・分割前提の土地は、一般の買い手が扱いにくく、業者による買取や分割開発が現実的な出口になりやすい。一方、整形で立地のよい区画は、時間をかけて仲介で売るほうが手取りが多くなることもあります。
一般の個人が買うには大きすぎる土地は、分割・造成・古い家の解体まで含めて出口を作れる不動産会社が直接買い取るのが、現実的なことが多いです。明紗のような買取業者では、現況のまま・分筆や造成を前提にお引き受けできます。マンション用地などに向いた土地なら一般の相場より高く評価されることもありますが、どこまで伸びるかは物件次第です。
ここで、正直にお伝えしておきたいことがあります。明紗は、買い主として土地を直接買い取れる立場です。売り主と買い主の間に立つ仲介の査定とは、利害の構造が異なります。買取価格は、私たちがその土地を再び販売することを前提に組み立てるため、時間をかけて売る仲介の想定価格より、低くなりやすい面があります。そのぶん、現況のまま・短い期間で手放せる利点があります。
ですから明紗では、買取だけをおすすめすることはしません。整形で立地のよい土地なら、「仲介でじっくり売ったほうが、手取りは多くなりそうです」とお伝えすることもあります。買取と仲介、両方の見込みをお示ししたうえで、どちらがご事情に合うかを一緒に考えます。
仲介での売却をお考えの場合は、仲介での売却相談も承ります。
手元にいくら残る?よくあるご質問
手元にいくら残るのかは、どこで変わる?
結論:売値だけでなく、所有期間・取得費・使える特例で手取りは大きく変わります。相続した不動産の税金には固有のルールがあるため、詳しくは専門の記事と税理士へのご相談を。
土地を売った利益には、譲渡所得税がかかります。これは「売値から、取得費と譲渡費用を引いた利益」にかかる税です。売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡(税率20.315%)、5年以下なら短期譲渡(39.63%)です(国税庁タックスアンサーNo.1440ほか)。相続した土地では、取得費と取得時期を亡くなった親(被相続人)から引き継ぎます(所得税法第60条)。取得費が分からないときは、売値の5%を概算の取得費として使えます(国税庁No.3258)。
さらに、居住用財産や相続した空き家の3,000万円特別控除など、手取りを大きく左右する特例もあります。ただし要件は細かく、判断は専門的です。税金の詳しい話は相続した不動産を売るときの税金にまとめており、試算は税理士へご相談ください。相続そのものの全体像は相続した実家・空き家の売却、名義や登記の整理は登記義務化と実家売却でもお話ししています。
よくあるご質問
Q. 相続した広い土地は、更地にしてから売るべきですか?
多くの場合、古い家は壊さず現況のまま売るほうが有利です。買い手の多くが建て替えを前提としており、更地にすると住宅用地の軽減(固定資産税)が外れて負担が増えることもあります(地方税法第349条の3の2)。ただし建物の状態や立地によって判断は変わりますので、解体を決める前にご相談ください。解体や測量などの費用は家を売るとき手元にいくら用意する?でも整理しています。
Q. 広い土地を分けて売るとき、開発許可は必要ですか?
道路を新設・廃止するなど「区画形質の変更」を伴う分け方は、開発許可の対象になります。流山市では、市街化区域で概ね300平方メートル以上の開発行為が対象です(流山市開発事業の許可基準等に関する条例)。一方、既存の道路に接した区画へ分ける「分筆」だけなら、不要な場合もあります。個別の判断は、流山市の宅地担当窓口や専門家にご確認ください。
Q. こんなに大きな土地を、誰が買うのですか?
大区画・要開発・分割前提の土地は、一般の個人よりも、分割や開発を手がける不動産会社が直接買い取ることが、現実的な出口になりやすいです。明紗でも現況のまま買取のご相談をお受けしています。整形で立地がよければ、仲介で個人の買い手を探すほうが高く売れることもあります。
Q. 賃貸中のアパートが建っている土地は、売れますか?
売れます。入居者がいる状態(オーナーチェンジ)でも売却は可能で、価格は主に家賃と利回りから評価されます。入居者に退去を求めるには「正当の事由」が必要とされ(借地借家法第28条)、立退料や解体費もかかるため、契約の形態から逆算して段取りを考えます。
Q. 買取だと、安くなりませんか?
買取価格は、私たち不動産会社がその土地を再び販売することを前提に組み立てるため、時間をかけて売る仲介の想定価格より低くなりやすい面があります。そのぶん、現況のまま・短い期間で手放せる利点があります。明紗では、買取と仲介の両方を比べてご提示し、仲介が得なケースは正直にお伝えします。
Q. 相続した土地を売ると、税金はどうなりますか?
売却の利益に譲渡所得税がかかり、所有期間で税率が変わります(長期20.315%・短期39.63%/国税庁No.1440)。相続では取得費・取得時期を親から引き継ぎ(所得税法第60条)、取得費が分からなければ概算取得費(売値の5%)を使えます(国税庁No.3258)。手取りを変える特例もあり要件が複雑なため、相続した不動産を売るときの税金の記事と、税理士へのご相談をおすすめします。
まとめ──広い土地は「順番」で手取りが変わる
相続した広い土地・大型地は、「広いから高い」とは限りません。まず「売るか・活かすか」を決める。売ると決めたら、古い家は壊さず現況のまま、住まいや賃貸は空けてから、分け方が開発許可にかかるかを先に設計する。そして、一般の買い手が扱いにくい大区画は、業者買取・分割開発という直接の出口も含めて、手取りが最大になる順番で動く。遠回りに見えて、これが確かな道だと考えています。
もちろん、整形で立地のよい土地なら、仲介でじっくり売るほうが得なこともあります。どちらがご事情に合うか、下記から、一緒に考えさせてください。ご相談は無料です。
本記事に関するご注意
- 本記事の内容は、執筆時点(2026年7月)の法令・税制・市場動向に基づいています。最新情報は管轄機関の公式情報をご確認ください。
- 個別具体的な不動産売却・税務・法務のご相談は、宅地建物取引業者・税理士・弁護士など各分野の有資格者へのご相談をお勧めします。
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- 取引事例・実績は実際の案件に基づきますが、お客様情報保護のため詳細は一部加工しています。
宅地建物取引業 千葉県知事第17957号
合同会社明紗
この記事を書いた人
中山裕章/合同会社明紗 代表
宅地建物取引士。主に流山市・柏市・松戸市・市川市・東京23区内の売却仲介と買取を行っています。他社で断られた物件こそ、まずはMEISAに——を約束に、大区画や古家付き土地、相続した不動産の出口づくりに取り組んでいます。査定根拠開示・最短15営業日決済。流山の相場感を大切に、一軒に一つの物語を。/代表メッセージ
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運営会社
| 商号 | 合同会社明紗 MEISA G.K. |
|---|---|
| 本社 | 〒270-0137 千葉県流山市市野谷168番地19 ライトガーツェおおたか101 |
| TEL | 090-3692-8253 |
| 事業内容 | 不動産売買(買取・分譲)/不動産仲介(売買)/不動産賃貸/不動産活用の企画・コンサルタント |
| 免許番号 | 千葉県知事(2)第17957号 |
| メール | meta-meisa@memoad.jp |
| URL | https://meisa-estate.com |
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