買取と仲介、どちらで売る?──手取り・期間・手間で選ぶ、流山の実家・古家の手放し方
相続した実家を、そろそろ手放そうと思う。そう決めて、まず不動産の一括査定に登録してみた。ところが、買取の会社から返ってきた金額は、思っていたよりずいぶん低い。かといって、仲介にすれば数か月かかりそうで、内見の立ち会いや片付けを考えると気が重い。流山の旧い住宅地には、そこで手が止まったまま、何年も空き家になっている一軒が、いまも静かに残っています。
「買取は安く買い叩かれる」「仲介は高いけれど、時間も手間もかかる」。多くの方が、この二択のイメージのまま迷っておられます。けれど、実際に比べるべきなのは、提示された金額そのものではありません。手数料や税を差し引いて、最後に手元にいくら残るのか。そして、どれだけの時間と手間で、どれだけ確実に手放せるのか。そこまで並べて、はじめて「あなたの場合」が見えてきます。
この記事では、買取と仲介という2つの売り方を、手取り・期間・手間・確実性・秘密性という5つの軸で、売主の立場から中立に比べます。明紗は、自社で直接買い取ることもでき、仲介にも精通しています。だからこそ、「あなたの場合は、仲介のほうが手取りが多いかもしれません」と、正直にお伝えできます。どちらかに誘い込むための比較ではありません。あなたがご自分で選ぶための、材料の並べ方です。
買取と仲介は、そもそも何が違うのでしょうか?
結論:いちばんの違いは「誰が買い手になるか」です。買取は、明紗のような不動産会社が直接の買い手になります。仲介は、会社が売り手と買い手の間に立ち、広く買い手を探します。この一点の違いから、価格・期間・手間・手数料のすべてが枝分かれします。
まず、言葉を整理します。買取とは、不動産会社が売り手から物件を直接買い取ることです。会社そのものが買い手になるので、ほかに買い手を探す必要がありません。一方の仲介(=媒介)は、不動産会社が売り手と買い手の間に立ち、買ってくれる人を広く探して、契約をまとめる方法です。会社は買い手ではなく、あくまで橋渡し役です。
この「買い手が誰か」という違いが、その後のすべてを分けます。買取では、買い手である会社が再び販売することを前提に価格を組み立てるため、金額は市場での売却価格より低くなりやすい。そのかわり、買い手を探す時間がいらず、現況のまま短い期間で手放せます。仲介では、市場で買い手を探すぶん、価格は高くなりやすい。そのかわり、買い手が見つかるまで時間がかかり、内見の対応などの手間も生じます。
つまり、どちらが良い・悪いではなく、何を優先するかで選ぶものです。上の図は、買取と仲介を5つの軸で並べ、どちらが向くかの分かれ道をまとめたものです。ご自分が「手取りの多さ」を優先したいのか、「早さや手間のなさ」を優先したいのかを思い浮かべながら、続きを読んでみてください。
手取りは、どちらが多く残るのでしょうか?
結論:手取りだけを見れば、多くの場合、仲介のほうが手元に多く残ります。買取価格は市場価格より低くなりやすく、その差は仲介手数料より大きいことが多いためです。それでも買取が選ばれるのは、その差を承知のうえで、早さ・手間のなさ・確実性・秘密性に価値を置くときです。
売却の金額を比べるとき、多くの方が提示された価格だけを見てしまいます。けれど本当に大切なのは、そこから手数料・税・諸費用を引いて、最後に手元に残る金額です。
仲介では、売買が成立すると、不動産会社に仲介手数料を支払います。この上限は、宅地建物取引業法第46条にもとづく国土交通省の報酬告示で決まっています。売買価格が400万円を超える部分を含む物件では、「売買価格の3%に6万円を加えた額」に消費税を加えた金額が上限です。たとえば3,000万円で売れた場合、上限は3,000万円×3%+6万円=96万円、これに消費税を加えて約105万円になります。これはあくまで上限で、これより低い設定もあり得ます。
低額の物件には、少し事情があります。2024年7月の改正で、価格が800万円以下の宅地建物については、売主が支払う仲介手数料の上限が、現地調査などの費用を見込んで最大33万円(税込)に見直されました(国土交通省)。低額な空き家や古家ほど、調査や手続きの手間に対して定率の手数料では見合いにくく、こうした特例が設けられています。裏を返せば、低額の物件では、手数料の負担感が価格に対して相対的に大きくなることもあります。仲介手数料そのものの詳しい仕組みは、家を売るとき手元にいくら用意する?でも整理しています。
いっぽう買取では、明紗のような不動産会社が直接の買い手になるため、売り手と買い手の間に立つ仲介と違い、仲介手数料は原則としてかかりません。ただ、手数料がかからないこと以上に、買取価格そのものが市場価格より低くなりやすい面があります。仲介は「高い価格から手数料を引く」、買取は「低めの価格で、手数料は引かれない」。その二つを最終手取りで並べると、多くの場合、仲介のほうが多く残ります。買取の価格の低さは、早く確実に手放せることと引き換えの差、と考えると腑に落ちるかもしれません。
税の扱いは、どちらでも同じです。売却して利益(譲渡所得)が出れば、譲渡所得税がかかります。税率は所有期間で決まり、売った年の1月1日で所有5年超なら長期の20.315%、5年以下なら短期の39.63%です(国税庁タックスアンサーNo.1440)。相続した物件では、親の取得費や取得時期を引き継ぎ、取得費がわからない場合は売却価格の5%を概算取得費とすることができます(所得税法第60条・国税庁No.3258)。この税率は買取でも仲介でも変わらないため、結局は売却価格の差が、そのまま手取りの差に響きます。相続不動産の税金は相続した不動産を売るときの税金で詳しくお話ししています。
期間・手間・確実性・秘密性は、どう違うのでしょうか?
結論:買取は「早く・手間なく・確実に・静かに」手放しやすく、仲介は「時間と手間をかけて、より高くを狙う」方法です。急ぎや負担の少なさを優先するなら買取、手取りの最大化を優先するなら仲介、という傾向があります。
手取り以外の4つの軸も、選び方を大きく左右します。
期間について。仲介は、売り出してから買い手が見つかり、引き渡しまで進むのに、数か月かかることが多いとされます(物件・価格・市況によって大きく異なります)。買取は、買い手を探さず会社が直接買うため、条件が合えば仲介より短い期間で現金化しやすいとされます。「いつまでに手放したい」という期限がある方には、この差が効いてきます。
手間について。仲介では、購入希望者の内見に応じたり、簡単な片付けや修繕をしたり、境界を確かめたりといった準備が生じやすくなります。遠方にお住まいで、たびたび帰省するのが難しい方には、これが負担になります。買取では、現況のまま・内見なしで進められる場合が多く、残置物が残っていてもそのままお引き受けできることがあります。
確実性について。仲介は、買い手が見つかるまで成約が確定しません。価格や時期によっては、なかなか売れずに売り出しが長引くこともあります。買取は、会社が買い手になるため、話がまとまれば成約の見通しが立てやすい、という安心があります。
秘密性について。仲介では、物件をポータルサイトや広告に掲載して広く買い手を募るため、売り出していることが周囲に伝わりやすくなります。買取は、広く広告を出さずに進められるため、近所に知られたくない事情のある方にとっては、静かに手放しやすい面があります。
現場から
明紗では、流山市の売主様から「買取と仲介、どちらがいいのか分からない」というご相談を、日々お受けしています。一括査定で出た低い数字に驚いて、そのまま手が止まってしまった、という方も少なくありません。
先日も、都内にお住まいで、江戸川台のご実家を相続された方から、そうしたご相談を伺いました。お話を整理すると、立地も状態も悪くなく、時間をかけられるご事情でした。私は、「このお宅なら、焦って買取になさるより、仲介でじっくり売られたほうが、手取りは多くなりそうです」とお伝えしました。買取もできる会社だからこそ、買取をおすすめしないほうがよい場面がある、と考えています。
反対に、遠方で管理が難しく、期限も迫っているようなケースでは、多少価格が下がっても、現況のまま早く確実に手放せる買取が、ご事情に合うこともあります。大切なのは、会社の都合ではなく、その一軒とそのお宅の事情に、どちらが合うかです。どんな一軒にも、そのお宅なりの物語があります。手放し方にも、その物語にふさわしい選び方があってよいはずだと、私は考えています。
結局、あなたはどちらを選べばよいのでしょうか?
結論:時間に余裕があり、立地や状態も悪くないなら、仲介で手取りを狙う。急ぎ・現況のまま・確実に静かに手放したいなら、買取が向きます。迷うときは、「まず仲介、売れなければ買取」という買取保証という第3の道もあります。
ここまでの5つの軸を、あなたのご事情に当てはめてみてください。
仲介が向きやすいのは、売り急ぐ理由がなく、立地や建物の状態が比較的よく、内見や片付けの手間もかけられる場合です。時間をかけて買い手を探せるなら、手取りは仲介のほうが多くなりやすい傾向があります。
買取が向きやすいのは、期限が決まっている、遠方で管理や帰省が難しい、内見や片付けの負担を避けたい、近所に知られずに手放したい、といった場合です。仲介では買い手が付きにくい物件や、他社で断られた物件も、現況のまま買取という出口になりやすくなります。事故・再建築不可・老朽など、いわゆる訳ありとされる物件については、「訳あり物件」だから売れない、と決める前にで詳しくお話ししています。広い土地や大きな区画の売り方は、相続した広い土地・大きな土地の売り方をご覧ください。
そして、どうしても決めきれないときには、第3の道があります。買取保証という方法です。まず一定の期間、仲介で売り出してみて、その間に売れなければ、あらかじめ約束しておいた価格で会社が買い取る仕組みです。仲介の高値を狙いつつ、売れ残ってしまう不安にも備えられる、いわば両取りの考え方です(適用できるかどうかや条件は、物件や会社によって異なります)。仲介にも精通し、自社で買い取ることもできる会社であれば、こうした組み合わせのご提案がしやすくなります。
ここで、正直にお伝えしておきたいことがあります。明紗は、買い手として物件を直接買い取れる立場です。売り手と買い手の間に立つ仲介の査定とは、利害の構造が異なります。買取価格は、私たちがその物件を再び販売することを前提に、再販の費用やリスクを見込んで組み立てるため、仲介での想定価格より低くなりやすい面があります。だからこそ明紗では、買取だけをおすすめすることはしません。買取と仲介、両方の見込みをお示ししたうえで、どちらがご事情に合うかを一緒に考えます。
買取と仲介、どちらが合うか迷われたら、まずは両方の見込みを見比べるところから始めてみてください。
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時間をかけて高く売りたい場合は、仲介での売却相談も承ります。
買取と仲介で迷ったときの、よくあるご質問
Q. 買取と仲介では、結局どちらが手取りは多いですか?
手取りだけで比べると、多くの場合は仲介のほうが多く残ります。買取価格が市場価格を下回る幅は、仲介手数料(3,000万円で上限約105万円)より大きくなることが多いためです。譲渡所得の税率はどちらも同じ(所有期間により長期20.315%・短期39.63%/国税庁No.1440)です。それでも買取が選ばれるのは、手取りの差を承知のうえで、早く・手間なく・確実に・静かに手放したいときです。立地・状態がよく時間をかけられるなら仲介、急ぎや現況のまま手放したいなら買取が向きやすい傾向があります。
Q. 仲介手数料はいくらかかりますか?買取ならかからないのですか?
仲介手数料の上限は、売買価格の400万円を超える部分を含む物件で「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた額です(宅地建物取引業法第46条・国土交通省の報酬告示)。3,000万円なら上限は約105万円(税込)です。買取では会社が直接の買い手になるため、仲介手数料は原則としてかかりません。なお2024年7月の改正で、800万円以下の低額な物件は売主の手数料上限が最大33万円(税込)に見直されています。
Q. 買取は、なぜ市場価格より安くなるのですか?
買取では、不動産会社がその物件を再び販売することを前提に買い取ります。再販にかかる費用や、リフォーム・解体の費用、契約不適合の責任を引き受けるといったリスクを見込むため、時間をかけて買い手を探す仲介の想定価格より、一般に低くなりやすい面があります。「相場の何割」といった一律の数字があるわけではなく、物件や会社によって幅があります。
Q. 早く現金化したいのですが、買取ならどのくらいで売れますか?
買取は買い手を探さないため、条件が合えば仲介より短い期間で現金化しやすいとされます。かかる期間は物件や会社によって異なりますので、期限がある場合は、その期限を最初にお伝えください。期限から逆算して、買取と仲介のどちらが間に合うかを一緒に考えます。
Q. 買取だと、売った後に不具合が見つかっても責任を負わずに済みますか?
買取では専門家である不動産会社が買い手になるため、契約不適合責任(引き渡した物件が契約内容に合わない場合の売主の責任・民法第562条ほか)を免責する特約を結びやすくなります。ただし、売り手が知っている不具合を告げずに売った場合は、免責の特約があっても責任を問われることがあります(民法第572条)。隠さずに伝えることが前提です。
Q. 仲介で売り出して、売れなかったら買取に切り替えられますか?
はい、そうした方法があります。買取保証といって、まず一定期間は仲介で売り出し、期間内に売れなければ、あらかじめ約束した価格で会社が買い取る仕組みです。仲介の高値を狙いながら、売れ残りの不安にも備えられます。適用できるかどうかや条件は物件・会社によって異なりますので、ご相談時にお尋ねください。
Q. 近所に知られずに売りたいのですが、買取と仲介どちらが向きますか?
買取は、広く広告を出さずに進められるため、仲介に比べて周囲に知られにくい傾向があります。事情のある売却で秘密性を優先したい場合の選択肢になり得ます。仲介でも露出を抑える工夫はできますが、買い手を広く探す性質上、まったく知られずに進めるのは難しい面があります。
まとめ──「安いか高いか」ではなく、「あなたに合うか」で選ぶ
まとめ
買取と仲介は、どちらが良い・悪いというものではありません。買取は、価格は低めでも、早く・手間なく・確実に・静かに手放しやすい。仲介は、時間と手間はかかっても、手取りをより多く狙える。提示された金額だけでなく、手数料や税を引いた最終手取りと、期間・手間・確実性・秘密性という5つの軸を、あなたのご事情に当てて比べる。それが、思い込みで選んで後悔しないための順番だと考えています。
決めきれないときには、買取保証という第3の道もあります。「損はしたくない、けれど、この家にこれ以上時間も気も取られたくない」——その二つの気持ちのあいだで、一人立ち止まっておられるなら、どうか一人で答えを出そうとなさらないでください。明紗は、自社で買い取ることもできる会社です。だからこそ、あなたの一軒には仲介のほうが向いていると思えば、「あなたの場合は仲介が得です」と、自社の損得を脇に置いてお伝えします。どちらがご事情に合うか、一緒に確かめさせてください。ご相談は無料です。
本記事に関するご注意
- 本記事の内容は、執筆時点(2026年7月)の法令・税制・市場動向に基づいています。最新情報は管轄機関の公式情報をご確認ください。
- 個別具体的な不動産売却・税務・法務のご相談は、宅地建物取引業者・税理士・弁護士など各分野の有資格者へのご相談をお勧めします。仲介手数料の上限や特例、契約不適合責任の扱いは、物件や契約内容により個別に判断されます。
- 本記事に記載された金額・期間・条件は一般的な目安であり、お客様の物件・状況により異なります。正確なお見積もりは無料査定をご利用ください。
- 取引事例・実績は実際の案件に基づきますが、お客様情報保護のため詳細は一部加工しています。
宅地建物取引業 千葉県知事第17957号
合同会社明紗
この記事を書いた人
中山裕章/合同会社明紗 代表
宅地建物取引士。流山市・柏市・松戸市・市川市の売却と買取を一貫してご担当しています。他社で断られた物件こそ、まずはMEISAに——を約束に、買取と仲介の両方を見比べて、売主様のご事情に合う手放し方をご提案しています。査定根拠開示。流山の相場感を大切に、一軒に一つの物語を。/代表メッセージ
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| 商号 | 合同会社明紗 MEISA G.K. |
|---|---|
| 本社 | 〒270-0137 千葉県流山市市野谷168番地19 ライトガーツェおおたか101 |
| TEL | 090-3692-8253 |
| 事業内容 | 不動産売買(買取・分譲)/不動産仲介(売買)/不動産賃貸/不動産活用の企画・コンサルタント |
| 免許番号 | 千葉県知事(2)第17957号 |
| メール | meta-meisa@memoad.jp |
| URL | https://meisa-estate.com |
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