両手仲介はなぜ起きる?囲い込みの仕組みと、流山で売却中の売主ができる確認と対処

query_builder 2026/07/12
不動産売却
流山で売り出し中の家の取引状況をスマートフォンで確認する売主

売り出したのに、問い合わせが来ない。内見の予約も、なかなか入らない。担当者に尋ねると「時期的なものです」と言われて、なんとなく納得してしまう。流山市で家を売り出している方から、こうしたご相談をよく伺います。


その停滞が、必ずしも「囲い込み」のせいだとは限りません。ただ、囲い込みは担当者の人柄が悪いから起きるのではなく、不動産会社の収益の仕組みから起きやすい、という構造があります。仕組みを知っておけば、疑心暗鬼にならずに「静かに点検する」ことができます。


この記事では、両手仲介と囲い込みが起きる理由を、仕組みから整理します。あわせて、2025年1月に変わったレインズ(不動産会社間で物件情報を共有するネットワーク)のルールもお伝えします。そのうえで、流山で売り出し中のあなたが今日からできる確認と対処を、売主の立場から整理します。


流山おおたかの森のマンションを売りに出して、そろそろ一か月。ポータルサイトには載っている。担当者からは「反響はぼちぼちです」と連絡が入る。けれど、内見はまだ一組だけ。つくばエクスプレス沿線で、駅からの距離も悪くない住まいです。周りの部屋は決まっているのに、なぜ自分の家だけ動かないのか。その小さな違和感を、多くの売主様が言葉にしないまま抱えています。


念のために書きます。反応が薄い理由は、価格や時期、写真の見せ方など、さまざまです。囲い込みだと決めつける必要はありません。けれど、確かめる方法はあります。まずは、なぜそんなことが起こりうるのか、仕組みから見ていきましょう。

両手仲介とは何か?なぜ不動産会社はそれを望むのか?

片手仲介と両手仲介の違い。両手は売主・買主双方から手数料を受け取る構造

結論:両手仲介とは、一つの不動産会社が売主と買主の両方から仲介を引き受ける取引のことです。それ自体は違法ではありませんが、会社が受け取る報酬や関われる手続きが増えるため、「自社で買主を見つけたい」という動機が生まれやすくなります。


不動産の仲介には、大きく分けて二つの立場があります。売主から売却を任された会社を「元付(もとづけ)」、買主を連れてくる会社を「客付(きゃくづけ)」と呼びます。元付と客付が別の会社なら、それぞれが片方ずつ仲介する「片手仲介」です。一方、元付の会社が自分で買主も見つければ、売主・買主の双方を一社で仲介する「両手仲介」になります。


会社にとって両手仲介が魅力的なのは、まず仲介手数料が最大で二倍になるからです。たとえば3,000万円台の物件なら、片手の仲介手数料は約96万円です(売買価格×3%+6万円・税別。宅地建物取引業法第46条の上限額)。これが両手になると、売主・買主の双方から受け取れるため、単純計算で約192万円になります。

さらに買主側にも立つことで、住宅ローンや登記、火災保険、リフォーム、引越しといった、購入にともなう各種手続きに関わる機会も生まれるとされています。会社全体で見れば、両手の一件は片手の一件よりもずっと大きな収益になりうる——そう指摘されています。


ここで大切なのは、両手仲介そのものは違法ではない、ということです。買主を自社で見つけること自体は、正当な営業活動です。問題は、この「両手にしたい」という動機が行きすぎたときに起こります。

囲い込みとは何が起きているのか?「振り替え」とどう違う?

結論:囲い込みとは、他社からの「その物件を紹介したい」という問い合わせを、事実と異なる説明などで断り、自社が買主を見つけるまで物件を実質的に隠してしまう行為です。似た言葉に「振り替え」があり、こちらは問い合わせてきた客を自社の別の物件へ誘導することを指します。


両手仲介を狙う動機が強くなると、元付の会社は他社に買主を取られたくなくなります。そこで、他社から「お客様に紹介したいので案内させてください」と連絡が来ても、「すでに商談中です」「売主の都合で今は止めています」などと、事実と違う説明で断ってしまうことがあります。これが囲い込みです。


不動産会社どうしは、レインズ(正式には指定流通機構。全国の物件情報を共有するネットワークのことです)を通じて物件情報をやりとりします。囲い込みの典型的な手口は、本当は買い手がついていないのに、レインズ上の取引状況を「書面による購入申込みあり」に登録して、他社が紹介できない状態に見せてしまうものだと言われています。


売主にとって、囲い込みの何が困るのか。それは、あなたの家を検討できる買主の数が、知らないうちに減ってしまうことです。本来なら十社から声がかかるはずの物件が、一社の中だけで買主を探されると、見つかるまでに時間がかかります。時間がかかれば「売れないから」と値下げを提案される。結果として、売主が長期化と値下げという形で損を引き受けることになりかねません。


もちろん、他社の紹介を断るすべてが囲い込みというわけではありません。本当に商談が進んでいる場合や、売主の希望で紹介を止めている場合もあります。だからこそ、「疑う」のではなく、事実がどうなっているかを「確かめる」ことが大切になります。

囲い込みは違法なのか?2025年1月の制度改正で何が変わった?

結論:両手仲介は違法ではありませんが、他社の紹介を止めるために事実と異なる登録をする囲い込みは、2025年1月の制度改正で監督処分の対象であることがはっきりしました。あわせて、売主が自分の物件の状況を確認しやすくする仕組みも整えられました。


まず前提として、専任媒介・専属専任媒介で売却を任された会社には、以前からその物件をレインズに登録する義務があります。契約の種類ごとの登録期限などは、別記事「専任か一般か──媒介契約3種の違いと選び方」で解説しています。


2025年1月1日に施行された宅地建物取引業法施行規則の改正で加わったのは、主に次の点です。


一つ目は、専任・専属専任媒介について、物件の「取引状況(ステータス)」をレインズに正しく登録・更新することが義務づけられたことです。取引状況には、次の三つの区分があります。

  • 公開中……他社からの問い合わせを受け付けている状態
  • 書面による購入申込みあり……書面で購入の申し込みを受けた状態
  • 売主都合で一時紹介停止中……売主の事情で一時的に紹介を止めている状態


二つ目は、売主が自分の物件の登録内容を確認しやすくなったことです。媒介契約を結ぶと、会社から「登録証明書」が交付されます。2025年の改正では、この登録証明書に二次元コードを載せ、売主専用の確認画面にアクセスしやすくする改修が行われました(国土交通省 令和6年12月24日 報道発表)。会社は登録証明書を渡す際、この確認方法を売主に説明することになっています。


三つ目は、取引状況の登録・更新を怠ったり、事実と異なる登録をしたりした場合、宅地建物取引業法第65条第1項に基づく指示処分などの対象になることが、あらためて明確にされたことです。つまり、本当は申し込みがないのに「書面による購入申込みあり」と登録して他社の紹介を止める行為は、監督処分につながりうる、ということです。


なお、一般媒介契約にはそもそもレインズへの登録義務がありません。この点は媒介契約の選び方とあわせて理解しておくとよいと思います。制度の内容は今後も見直される可能性がありますので、最新の情報は国土交通省の公式情報をご確認ください。

流山で売り出し中の売主が、今日からできる「静かな点検」は?

囲い込みを確かめる静かな点検3ステップ。依頼時・売り出し後・違和感時

結論:特別な知識がなくても、依頼するときの確認、売り出し後のレインズ登録証明書とステータスの点検、広告の掲載状況の確認、の三つを持っておけば十分です。疑うためではなく、確かめるための点検です。

ここからは、実際の手順です。次の三段階で考えると、迷いません。


一つ目は、依頼するときの確認です。

媒介契約を結ぶ前に、他社が買主を連れてきた場合にどう対応するか、どのポータルサイトや広告に出すかを、担当者に尋ねておきます。あわせて、レインズに登録したら登録証明書を忘れずに受け取ります。専任・専属専任で任せるなら、登録証明書は当然に交付されるものです。


二つ目は、売り出したあとの点検です。

登録証明書の二次元コードから売主専用の確認画面にアクセスし、自分の物件の取引状況が「公開中」になっているかを確かめます。売り出したばかりなのに「書面による購入申込みあり」や「売主都合で一時紹介停止中」になっていれば、担当者に事実を確認する理由になります。ポータルサイトに掲載され続けているか、他社経由でも自分の物件に問い合わせができるかも、家族や知人の力を借りて確かめられます。


三つ目は、違和感があったときの動き方です。

おかしいと感じたら、まず記録を残します。いつ、どの画面が、どうなっていたか。そのうえで担当者に事実を確認し、説明と実際の登録内容が食い違っていないかを見ます。感情的に問い詰める必要はありません。「確認画面でこう表示されていたのですが」と、事実を示して尋ねれば十分です。


流山市の住宅地は、令和8年(2026年)の地価公示で13.3%上昇し、東京圏でも上昇率の上位に入りました(国土交通省 令和8年地価公示)。つくばエクスプレス沿線は、本来なら広く紹介されれば動きやすい市場です。だからこそ、情報が止まってしまうことの機会損失は小さくありません。静かに点検する意味は、ここにあります。


今の売り出し状況や、担当者の説明に不安があれば、明紗の売却相談(無料)でお聞かせください。

→ 売却の無料相談はこちら

点検して違和感があったら、会社を変えるべき?

結論:確認してすぐに会社を変える必要はありません。ただ、事実を確かめても状況が変わらない、説明と登録内容が食い違ったままという場合は、媒介契約の更新の節目が見直しのタイミングになります。


専任媒介・専属専任媒介の有効期間は、最長で三か月と決められています。裏を返せば、三か月ごとに「このまま任せ続けるか」を考える節目が来る、ということです。契約期間の途中で焦って動くよりも、まずは事実を確認し、記録を残し、更新のタイミングで冷静に判断するほうが、売主にとって不利になりにくいと考えられます。


判断に迷うときは、別の会社の意見を聞く「セカンドオピニオン」という選択肢もあります。今の売り出し方が適切か、価格の設定は市場と合っているか、第三者の目で見てもらうことで、囲い込みなのか、それとも別の理由による停滞なのかが見えてくることがあります。会社選びそのものの考え方は、あらためて別の記事で整理する予定です。


明紗は、他社を批判したいのではありません。両手仲介も、正しく行われれば問題のない取引です。お伝えしたいのは、仕組みを知っていれば、売主は自分の売却を静かに守れる、ということだけです。

現場から

明紗では、流山おおたかの森や南流山の売主様から、「売り出したのに反応が薄い」「担当者の説明にどこか納得できない」というご相談を伺っています。お話を聞くと、囲い込みではなく価格や見せ方が原因だったことも、確認画面を一緒に見て初めて状況がはっきりしたことも、どちらもあります。


私は、囲い込みという言葉で売主を不安にさせたいわけではありません。むしろ逆で、仕組みと確認の方法を知っていただければ、必要以上に疑わずにすむと考えています。明紗では査定の根拠を100%開示し、他社が難しいと言った物件も含めて、代表の私が一貫してご相談をお受けしています。売り出し中の状況に不安があれば、今の売り方のまま何が起きているのかを、いっしょに確かめるところから始められます。


一軒の家には、一軒の物語があります。その物語が、情報の止まったところで途切れてしまわないように。流山の売主様のとなりで、静かに点検のお手伝いをしています。


仲介での売却がいまの状況に合わないと感じる場合は、買取という選択肢もあります。

→ 買取という選択肢を見る

よくあるご質問

囲い込みは違法ですか?

両手仲介そのものは違法ではありません。ただし、他社の紹介を止めるために、事実と異なる取引状況をレインズに登録するような行為は、2025年1月の制度改正で宅地建物取引業法第65条第1項に基づく指示処分などの対象であることが明確化されました。事実に反する登録や説明は、監督処分につながりうる行為だとお考えください。

両手仲介は禁止されているのですか?

禁止されていません。一つの会社が売主と買主の双方を仲介すること自体は、日本では認められています。問題になるのは、両手にしたいという動機から、他社の客付けを不当に妨げる囲い込みが起きる場合です。両手仲介かどうかよりも、他社の紹介が正しく受け入れられているかを見るのが実際的です。

自分の物件がレインズにきちんと登録されているか確認する方法はありますか?

あります。専任媒介・専属専任媒介で依頼すると、不動産会社から「登録証明書」が交付されます。2025年の改正で、この登録証明書に二次元コードが載るようになり、売主専用の確認画面から取引状況(公開中など)を確認できます。登録証明書を受け取っていない場合は、担当者に交付を求めてください。

売れないのは囲い込みのせいでしょうか?

一概には言えません。反応が薄い理由は、価格設定、写真や間取り図の見せ方、売り出しの時期など、さまざまです。囲い込みはその可能性の一つにすぎません。だからこそ、決めつける前に、確認画面で取引状況を確かめる、他社経由で問い合わせできるかを見る、といった点検で切り分けることをおすすめします。

一般媒介にすれば囲い込みは防げますか?

一般媒介は複数の会社に同時に依頼できるため、一社が情報を抱え込みにくいという面はあります。ただし、一般媒介にはレインズへの登録義務がないなど、別の注意点もあります。媒介契約の種類にはそれぞれ長所と短所があるため、囲い込み対策だけで選ぶのではなく、物件や状況に合わせて選ぶことが大切です。詳しくは媒介契約の選び方の記事をご覧ください。

囲い込みが疑われるとき、どこに相談できますか?

まずは担当者に、確認画面の表示など事実を示して尋ねるのが第一歩です。それでも説明と実態が食い違う場合は、媒介契約の更新時に見直す、他社にセカンドオピニオンを求める、といった対応があります。監督行政庁(宅地建物取引業の免許を出している都道府県など)への相談窓口もあります。明紗でも、今の売り出し状況の点検を無料でお手伝いしています。

関連記事

まとめ

両手仲介は違法ではありませんが、会社の収益が大きくなる仕組みがあるため、囲い込みという形で売主に不利益が及ぶことがあります。囲い込みは、他社の紹介を事実と異なる説明で止め、あなたの家を検討できる買主を知らないうちに減らしてしまう行為です。


2025年1月の制度改正で、取引状況の登録・更新が義務づけられ、事実と異なる登録は監督処分の対象であることが明確になりました。売主は登録証明書の二次元コードから、自分の物件の取引状況を確認できます。依頼時の確認、売り出し後のステータスと広告の点検、違和感があったときの記録と事実確認——この「静かな点検」を持っておけば、疑心暗鬼にならずに自分の売却を守れます。


流山の住まいは、需要のある市場だからこそ、情報が止まることの損失が小さくありません。今の売り出し状況に不安があれば、明紗の売却相談(無料)で、いっしょに点検するところから始めていただけます。

→ 売却の無料相談はこちら

本記事に関するご注意

  • 本記事の内容は、執筆時点(2026年7月)の法令・制度・市場動向に基づいています。最新情報は国土交通省など管轄機関の公式情報をご確認ください。
  • 個別具体的な不動産売却・法務のご相談は、宅地建物取引業者・弁護士など各分野の有資格者へのご相談をお勧めします。
  • 本記事に記載された金額・期間・条件は一般的な目安であり、お客様の物件・状況により異なります。正確なお見積もりは無料査定をご利用ください。
  • 取引事例・実績は実際の案件に基づきますが、お客様情報保護のため詳細は一部加工しています。

宅地建物取引業 千葉県知事第17957号 合同会社明紗

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