売り出す前に決めておく──流山市で家を売る売主が整理しておきたい条件
家を売り出す前に売主が決めておく条件は、主に5つです。境界をどこまではっきりさせて引き渡すか、古家を解体して更地で渡すか残したまま売るか、いつ引き渡せるか、引き渡したあとの責任をどこまで負うか、知っている不具合をどう伝えるか。マンションなら管理の情報の整理が、相続した家なら名義の確認が加わります。
多くの方が気にされるのは「いくらで売れるか」と「どの会社に頼むか」です。けれど、その手前にあるこれらの条件は、不動産会社に任せきりにできない、売主の決めごとです。この記事では、流山市で戸建て・土地・マンションを売り出そうとする方に向けて、それぞれの決め方と判断の材料を順に整理します。
なぜ「売り出す前」に決めておくのか
結論:条件を決めないまま売り出すと、買主が現れてから条件のすり合わせでつまずいたり、引き渡し後に「聞いていない」というトラブルになったりしやすいからです。先に決めておけば、買主が安心して検討に入れ、値引き交渉や白紙化の種を減らせます。
媒介契約を結ぶと、ほっとして「あとはお任せします」となりがちです。けれど、境界や引き渡しの条件は、売主が決めなければ前に進みません。判断に必要なことがはっきりしている物件には、良い買主が早く集まりやすいのです。
私は、売り出し前の打ち合わせで「そこを決めていなかった」ことが、後の値引き交渉や話の白紙化のきっかけになる場面を見てきました。だからこそ、次に挙げる条件を、売り出す前に一度棚卸ししておくことをお勧めします。どの会社にどの契約で頼むかは専任か一般か──媒介契約3種類の違いと選び方で整理しています。
戸建て・土地で、売り出す前に決めておく条件
結論:戸建て・土地では、①境界の扱い、②古家を更地で渡すか現況で渡すか、③引き渡しの時期、の3つを先に決めておきます。いずれも買主の住宅ローン・建築・住み替えの計画に直結し、決まっていないと検討が止まりやすい条件です。
同じ流山市でも、つくばエクスプレス沿線の区画整理を経た街区と、江戸川台・初石・東深井・前ヶ崎といった旧市街の古家付きの土地とでは、論点になる条件が違います。旧市街の古い家ほど、境界と古家の扱いが同時に問われやすい、というのが現場での実感です。
条件① 境界をどこまではっきりさせて引き渡すか
土地や戸建てを売るときは、隣地との境界をはっきりさせた状態で引き渡すか、現況のまま引き渡すかを、売り出す前に決めておきます。境界が曖昧なままだと、買主が住宅ローンや建築の見通しを立てにくく、検討が止まることがあります。
土地の測量には段階があります。売り出しの初期では、現況を測っただけの現況測量(現況図)にとどまり、隣地所有者の立会いと確認を経た確定測量が済んでいないことが少なくありません。そこで「境界を確定させてから引き渡すか(誰の費用・責任で確定測量を行うか)」を条件として決めておきます。売主が確定測量を手配して引き渡す場合もあれば、現況のまま売り、価格や引き渡しの取り決めで調整する場合もあります。
確定測量が本当に必要か、費用はどのくらいかは境界確定測量は本当に必要?で整理しています。測量を済ませていない土地や境界が未確定の土地でも、土地を現況のまま買い取るという売り方なら、そのままご相談いただけます。あわせて、敷地が建築基準法上の道路に2メートル以上接しているか(接道義務/建築基準法第42条・第43条)も、買主の再建築やローンに関わる事実として早めに確かめておくと安心です。
条件② 古家は解体して更地で渡すか、残したまま売るか
古い家が建つ土地は、売主が解体して更地で引き渡す(更地渡し)か、古家を残したまま売る(現況渡し)かで、売り出し条件が変わります。買主の層も、かかる費用も変わるため、売り出す前に方針を決めておきます。
更地にして引き渡せば、買主は土地として検討しやすくなりますが、解体費は原則として売主の負担になり、解体後に地中の埋設物(古い基礎やガラなど)が見つかると、その扱いが新たな論点になることもあります。一方、古家を残したまま売れば解体費はかかりませんが、買主は「解体も含めて検討する人」に絞られやすくなります。
解体すべきかどうかの判断は古い家は壊してから、で損をするに、解体費や測量費の金額は家を売るときの準備費用に譲ります。家財が残っている、私道や隣地との取り決めがはっきりしない、といった古家では、古家付きの土地を現況のまま買い取る会社へ直接売る道もあります。私道付きの古家を買い取り、権利関係の整理まで引き受けた事例もあります。
条件③ いつ引き渡せるか
「いつ引き渡せるか」も立派な売り出し条件です。今もお住まいだったり、荷物が残っていたり、賃貸に出していたりすると、引き渡しまでに時間が必要です。引き渡し時期を決めておかないと、買主の住み替え計画と噛み合わず、せっかくの話が流れることがあります。
ご自身が住みながら売る場合は、次の住まいへの移転とどう重ねるか。残置物がある場合は、いつまでに片づけるか。賃貸中であれば、入居者との関係をどう整理するか。こうした段取りを踏まえて、「おおよそいつ引き渡せるのか」を見通しておきます。条件として示せると、買主も安心して検討できます。
引き渡したあとの責任を、どこまで負うか
結論:引き渡した家や土地が契約の内容と違っていたとき、売主は買主に対して責任(契約不適合責任)を負うことがあります。どこまで責任を負うかを特約で決めることと、知っている不具合を書面で正確に伝えることは、セットで売り出す前に整理しておきます。
条件④ 引き渡し後の責任(契約不適合責任)の範囲を決める
売買で引き渡した目的物が、種類・品質・数量について契約の内容に適合しないとき、買主は売主に対し、補修などの追完請求、代金の減額請求、損害賠償や契約の解除を求めることができます(民法第562条〜第566条)。隣地への越境、地中の埋設物や古い浄化槽、給排水設備の不具合などが、引き渡し後に「契約と違う」と判明すると、売主が責任を問われることがあります。
この責任は任意規定で、売主と買主の合意(特約)によって、責任を負う範囲や期間を調整できます。個人が売主の場合、責任の範囲や通知の期間を一定に限る特約が用いられることもあります。ただし、売主が知りながら告げなかった事実については、責任を負わない旨の特約があっても責任を免れません(民法第572条)。
具体的な特約の文言や期間は、物件と相手によって妥当な形が変わりますので、契約条件は宅地建物取引業者や弁護士にご確認ください。
条件⑤ 知っていることを、どう正しく伝えるか(告知書・付帯設備表)
不動産の売買では、売主が知っている物件の状況を伝えるための書類があります。物件状況報告書(告知書)は、雨漏りやシロアリ、給排水の不具合、境界や越境、近隣との取り決め、過去の出来事など、売主が認識している状況を記すものです。付帯設備表は、どんな設備が付いていて、故障や不具合があるかを記すものです。いずれも売買契約書の付属書類として、売主が知っている範囲で正確に記載します。
大切なのは、マイナスの情報こそ、隠さず書いておくことです。不利に思えるかもしれませんが、知っている不具合を伝えずに引き渡すと、契約不適合責任や告知の問題につながり、かえって売主自身が不利になりかねません。給湯器などの主要な設備をどういう状態で引き渡すのかも、あわせて整理しておきましょう。
ここまでが、戸建て・土地で決めておきたい主な条件です。自分の物件ではどれが論点になりそうか、迷ったら一度ご相談ください。
相続した家・住所が変わった家で、先に確かめておくこと
結論:登記上の名義が亡くなった親のままなら、買主へ名義を移す前に相続登記を済ませる必要があります。登記上の住所が今の住所と違う場合も、売却の登記の前に住所の変更登記が要ります。どちらも売り出しと並行して進められますが、引き渡し時期の約束に響くため、先に確かめておきます。
相続登記は2024年4月1日から義務になり、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が求められています。それより前に始まった相続でも、登記をしていなければ対象で、2027年3月31日までの申請が必要です(法務省「相続登記の申請義務化について」)。
住所や氏名が変わったときの変更登記も、2026年4月1日から義務になりました。変更の日から2年以内の申請が求められ、それより前の変更で未登記のものは2028年3月31日までが期限です(法務省「住所等変更登記の義務化について」)。
手続きは司法書士に頼むのが一般的で、相続人どうしの話し合い(遺産分割)がまとまっていれば、売り出しの準備と同時に進められます。相続した実家の権利関係の整え方は実家の権利関係、親が元気なうちにもご参考に。
マンションを売る場合に、加えて決めておくこと
結論:マンションでは、戸建てや土地の条件に加えて、管理に関する情報が買主の判断を大きく左右します。管理規約・管理費・修繕積立金・リフォーム履歴などを整理し、現況のまま売るかリフォームして売るかを決めておきます。
マンションの買主は、専有部分だけでなく、建物全体の管理状況を見て判断します。管理規約の定め(ペットの飼育ができるかなど)、管理費と修繕積立金の額、駐車場の有無や入る車のサイズ、リフォームの履歴といった情報は、購入の判断に直結します。
そのうえで、「現況のまま売るのか、リフォームしてから売るのか」「引き渡しはいつか」「設備をどういう状態で引き渡すのか」「どこまで責任を負うのか」を、戸建て・土地と同じように決めておきます。流山おおたかの森や南流山の駅近くのマンションのように買い手の多い物件でも、これらが整っているかどうかで検討の進み方は変わります。
流山の現場から

明紗では、流山市で売り出し前のご相談を多くお受けしています。お話を伺っていると、価格や会社選びは熱心に考えておられるのに、境界や引き渡しの条件は「不動産会社にお任せします」となっている方が少なくありません。けれど、ここまで見てきたように、条件を決めるのは売主自身です。
私がお伝えしているのは、これらは一度に全部決めなくてよい、ということです。まずは「自分の物件では、どの条件が論点になりそうか」を一緒に洗い出すところから始めれば十分です。境界が未確定のまま、古家や家財が残ったまま、という状態でも、仲介で売り出すなら何を決めるか、現況のまま明紗が買い取るならどうなるかを、両方並べてお見せできます。買取の価格は再販を前提にするため、仲介で時間をかけて売る想定より下がりやすいことも含めて、正直にお伝えします。
決めることが多いほど、最初の一歩は重く感じるものです。その重さを一人で抱えたまま、売り出しの日を迎えてほしくない。私たちはそう考えています。
よくあるご質問
Q. 境界が確定していないと、家は売れないのですか。
売れないわけではありません。確定測量を済ませて引き渡す方法も、現況のまま売る方法もあります。ただし境界が曖昧だと買主が不安を持ちやすいため、「境界を確定させてから引き渡すか、現況で売るか」を売り出し条件として決め、価格や引き渡しの取り決めに反映させておくのが安全です。要否や費用の判断は、土地家屋調査士など専門家にご相談ください。
Q. 古家は解体してから売ったほうがいいですか。
一概には言えません。更地にすると土地として検討されやすくなりますが、解体費は原則売主負担で、地中埋設物が見つかることもあります。古家を残せば解体費はかかりませんが、買主の層は絞られます。建物の状態や立地によって向き不向きが変わるため、査定で見立てを持ってから決めることをお勧めします。
Q. 引き渡したあとに不具合が見つかったら、どうなりますか。
引き渡した物が契約の内容に適合しない場合、売主は補修や代金減額などの責任を問われることがあります(契約不適合責任/民法第562条〜第566条)。責任の範囲や期間は特約で調整できますが、売主が知りながら告げなかった事実については、責任を負わない旨の特約があっても責任を免れません(民法第572条)。契約条件は宅地建物取引業者・弁護士にご確認ください。
Q. 設備の古さや小さな不具合は、黙っていてもいいですか。
知っている不具合は、付帯設備表や物件状況報告書(告知書)に正確に記載することをお勧めします。隠して引き渡すと、契約不適合責任や告知の問題につながり、かえって売主が不利になりかねません。マイナス情報も開示しておくことが、結果的に売主を守ります。
Q. 相続した家の名義が親のままです。売り出せますか。
売り出しの相談や査定は今のままでも進められます。ただし買主へ名義を移す前に、相続人への相続登記を済ませる必要があります。相続登記は2024年4月1日から義務になり、相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が求められています。売買の段取りと並行して司法書士へ依頼しておくと、引渡し時期を約束しやすくなります。
Q. マンションで特に決めておくことは何ですか。
管理規約(ペット可否など)、管理費・修繕積立金、リフォーム履歴、駐車場の状況といった管理に関する情報を整理し、現況で売るかリフォームして売るか、引き渡し時期、設備の状態、責任の範囲を決めておきます。買主は建物全体の管理状況を見て判断するため、早めの整理が検討をスムーズにします。
Q. 売り出し条件は、結局だれが決めるのですか。
販売図面や契約書をまとめるのは不動産会社ですが、そこに載る売却条件を決めるのは売主自身です。会社任せにせず、境界・古家・引き渡し時期・責任の範囲を売り出す前に決めておくことが、後の交渉やトラブルを避けることにつながります。
まとめ
まとめ

家を売り出す前に売主が決めておきたいのは、境界をどこまではっきりさせるか、古家を更地にするか残すか、いつ引き渡せるか、引き渡し後の責任をどこまで負うか、知っていることをどう開示するか、の5つです。マンションなら管理の情報、相続した家なら名義の確認が加わります。
どれも、買主が現れてから慌てて決めるより、売り出す前に落ち着いて決めておくほうが、良い買主が早く集まり、後のトラブルも防ぎやすくなります。最初の一歩は、ご自宅に今いくらの値がつくのかを知ること。そこから、どの条件をどう決めるかを一緒に考えていけます。ご相談は無料です。
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本記事に関するご注意
- 本記事の内容は、2026年10月改稿時点の法令・実務に基づいています。最新情報は管轄機関の公式情報をご確認ください。
- 個別具体的な売却・税務・法務・登記・測量のご相談は、宅地建物取引業者・弁護士・司法書士・土地家屋調査士など各分野の有資格者へのご相談をお勧めします。
- 本記事に記載された条件・手続き・責任の扱いは一般的な目安であり、お客様の物件・状況により異なります。正確なお見積もりは無料査定をご利用ください。
- 明紗は買取において買主として直接買い取る立場であり、仲介の査定とは利害構造が異なります。仲介のほうが手取りが多くなるケースもあり、その場合は正直にお伝えしています。
- 取引事例・実績は実際の案件に基づきますが、お客様情報保護のため詳細は一部加工しています。
宅地建物取引業 千葉県知事第17957号
合同会社明紗
この記事を書いた人
中山裕章/合同会社明紗 代表
宅地建物取引士。流山市・柏市・松戸市・市川市の売却と買取を一貫してご担当しています。他社で断られた物件こそ、まずはMEISAに——を約束に、境界や古家の扱いを決めて仲介で売り出すか、現況のまま買い取るか、売主様のご事情に合う手放し方をご提案しています。査定根拠開示・最短15営業日決済。流山の相場感を大切に、一軒に一つの物語を。/代表メッセージ
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| 免許番号 | 千葉県知事(2)第17957号 |
| メール | meta-meisa@memoad.jp |
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