住宅ローンが残っている家は売れる?残債の確認からオーバーローン時の選択肢まで
住宅ローンがまだ多く残っている家を、売ることはできるのか。売却を考え始めた方から、明紗ではこのご相談をよく伺います。結論から言えば、ローンが残っていても家は売れます。ただし、売れるかどうかは物件の良し悪しや市況よりも先に、「残債(=ローンの残り)と売却価格の関係」で決まる場面が少なくありません。
この記事では、流山市・TX沿線で売却を考える方に向けて、まず確かめるべきことから、残債が売値を上回ってしまう「オーバーローン」のときの選択肢までを、順を追って静かに整理します。
転勤の話が出た。収入の見通しが変わった。家族の事情で住み替えを考え始めた——きっかけはさまざまですが、いざ「売ろうか」と思ったとき、多くの方が同じところで足を止めます。ローンがまだ2,000万円、3,000万円と残っている。売って新しい一歩を踏み出したいのに、「残りのローンはどうなるのだろう」という一点が分からず、確かめる前に動けなくなってしまう。
不安の正体は、たいてい「知らないこと」そのものです。残債という数字を直視できていないから、次の一歩が定まらない。逆に言えば、その数字さえ分かれば、道はかなり見えてきます。
住宅ローンが残っている家は、売れるのですか
結論:原則として、引渡しのときまでにローンを完済し、抵当権(=金融機関が設定した担保の権利)を抹消できれば、売れます。
住宅ローンを借りるとき、金融機関はその家に「抵当権」を設定します。これは、返済が滞ったときに担保として押さえておくための権利です。抵当権が付いたままでは、通常、買主に引き渡すことができません。そのため一般的には、売却の引渡し(決済)と同時に、売買代金でローンを一括返済し、抵当権を抹消します。抵当権の抹消は、法務局への登記申請で行います(法務局「抵当権の登記の抹消手続のご案内」・2024年4月更新)。
つまり、ローンが残っていること自体は、売却を妨げるものではありません。多くの方は、住んだままローンが残る状態で売りに出し、買主が決まり、引き渡し時に受け取る残代金で残債を清算します。
問題になるのは、「売って得られるお金で、残債を返しきれるかどうか」。ここが、次に確かめるべき本題です。
まず何を確かめればいいのですか?
結論:確かめることは2つだけ。①ローンの残債はいくらか、②相場で売れる価格はいくらか。この2つを突き合わせれば、次の一歩が見えます。
①残債の把握は、手元の書類でできます。借入時に受け取った「返済予定表(償還予定表)」を見れば、各時点の残高が記載されています。手元にない場合や正確な数字が知りたい場合は、借入先の金融機関に照会すれば、現在の残高や一括返済に必要な額を教えてもらえます。ここを「だいたい」で済ませず、正確に押さえることが出発点です。
②相場で売れる価格の把握は、不動産会社の査定で行います。査定額(=不動産会社が提示する売却見込み価格)は会社によって幅が出ることがあるため、根拠まで確かめておくと安心です。
この2つの数字がそろえば、あなたの家が「アンダーローン」なのか「オーバーローン」なのかが分かります。
アンダーローンとオーバーローン、何が違うのですか?
結論:売れる価格が「残債+売却の諸費用」を上回ればアンダーローン(=そのまま通常どおり売れる)、下回ればオーバーローン(=別の選択肢を検討する)です。
見極めの式はシンプルです。
- アンダーローン:売却価格 > 残債 + 諸費用 → 売却代金でローンを完済でき、手元にお金が残ることもあります。通常どおりの売却で問題ありません。なお利益(譲渡益)が出た場合は、翌年の税や社会保険料の負担が増えることもあります(詳しくは売却後の翌年の負担の記事をご参照ください)。
- オーバーローン:売却価格 < 残債 + 諸費用 → 売却代金だけでは残債を返しきれません。足りない分をどうするかを考える必要があります。
ここで見落としがちなのが「諸費用」です。売却には、仲介手数料をはじめとした費用がかかります。仲介手数料の上限は、売買価格が400万円を超える場合、「売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税」という速算式で決まります(宅地建物取引業法・国土交通省告示に基づく上限額)。
このほか、抵当権抹消の登記費用や引越し費用などもかかります。残債とぎりぎりの価格で売れても、諸費用を含めると足が出ることがあるため、「残債+諸費用」で考えるのが実際的です。諸費用の全体像は、売却にかかる費用をまとめた記事もあわせてご覧ください。
オーバーローンだったら、もう売れないのですか?
結論:いいえ。オーバーローンでも、道はいくつかあります。慌てて結論を出す前に、選択肢を並べて比べることが大切です。
売却価格で残債を返しきれない場合、一般には次のような選択肢が考えられます。
第一に、手持ち資金で不足分を補う方法です。売却代金に貯蓄などを足して残債を完済できれば、通常どおり売却できます。まずは「いくら足りないのか」を正確に知ることが、この判断の前提になります。
第二に、買い替えであれば住み替えローン(買い替えローン)を検討する方法があります。新居のローンに、今の家の残債の一部を上乗せして借りる仕組みです。ただし借入額が増えるため、返済計画は慎重に見る必要があります。
第三に、どうしても返済の継続が難しい場合には、金融機関と相談のうえで「任意売却」という道もあります。任意売却とは、オーバーローンで通常の売却では抵当権を外せないときに、債権者(金融機関)の同意を得て抵当権を抹消し、売却する方法です。裁判所の手続きである競売と違い、通常の販売活動を行うため、一般に市場に近い価格で売れやすく、事情が近隣に知られにくいとされています。
ただし任意売却は、金融機関の合意が前提です。また、任意売却に至る過程で住宅ローンの延滞などが生じると、その情報が個人信用情報機関(CIC・JICCなど)に記録として残ることが一般的です。任意売却そのものが直ちに事故情報になるわけではありませんが、影響の有無やその後の手続きは、金融機関や保証会社によって異なります。返済が苦しいと感じたら、滞納が続く前に、まずは借入先の金融機関に相談することが出発点になります。ここは判断が分かれるところですので、税理士・弁護士など専門家への確認もおすすめします。
たとえば離婚に伴う売却では、残債やオーバーローンが絡むことも少なくありません。税金や名義の論点は、離婚と家の税金・売却の記事でも整理しています。
なお、「早く手放したい」「通常の売却では難しい」というケースでは、不動産会社による買取という選択肢もあります。ただし買取は、早さと引き換えに価格が市場より下がりやすい傾向があります。あくまで選択肢の一つとして、
頭の隅に置いておく程度でよいでしょう。
選択肢が多くて迷うときは、一人で抱えずに。
→ 中山のメッセージを読む
『50年ローン』だと、売るとき苦しくなるのですか?
結論:超長期のローンは月々の返済が軽い一方で、元本(=残債)の減りが遅く、売りたいときに残債が売値を上回りやすい局面が生まれやすい、という側面があります。
ここ数年、返済期間の長い「超長期」の住宅ローンが広がっています。かつて住宅ローンは最長35年が一般的でしたが、住宅金融支援機構の「フラット50」は最長50年(対象は長期優良住宅など)。さらに2023年以降は、住信SBIネット銀行が借入期間を最長50年に拡大するなど、一部のネット銀行でも超長期の商品が登場しました(三井住友銀行の借入期間は執筆時点で最長39年11か月)。月々の負担を抑えられることから、選ぶ人が増えています。
ただ、「月々が軽い」の裏側は、知っておいて損はありません。ローンの利息は、そのときの残元本に対して先に計算されます。返済期間を長くすると、毎月返す元本の割合が小さくなり、残債の減りが遅くなるのです。
たとえば5,000万円を借りた場合の試算です(元利均等=毎月の返済額が一定になる返済方式・執筆時点の一般的な金利水準で計算。あくまで仕組みを示す一例です)。
- 35年返済(金利0.8%):毎月の返済額 約13.7万円/10年後の残債 約3,711万円
- 50年返済(金利0.9%):毎月の返済額 約10.4万円/10年後の残債 約4,171万円
月々は約3.3万円軽くなりますが、10年後の残債は約460万円も多く残ります。もし10年後に住み替えなどで売ることになったら、この差がそのまま「売値が残債に届くか」を左右します。返済総額で見ても、50年返済は35年返済より利息が約476万円多くなる計算です。
これは、これから購入・買い替えをする方への「先回りの知識」です。超長期ローンが悪いという話ではありません。ただ、「将来売るかもしれない」なら、月々の軽さだけでなく、数年後の残債がどう残るかまで見て選んでおくと、いざというときの選択肢が狭まりません。
明紗から——数字を確かめる前に、諦めないでほしい
明紗では、流山市やTX沿線の売主さんから、「ローンが残っているけれど売れるでしょうか」というご相談を日々お受けしています。お話を伺うと、残債の正確な額をご存じないまま、「たぶん無理だろう」と諦めかけている方が少なくありません。
けれど実際に返済予定表を確認し、査定額と突き合わせてみると、思っていたより残債が減っていて、通常どおり売れるケースは珍しくありません。とくに流山市の住宅地は、令和8年(2026年)の地価公示で前年比プラス13.3%と、県内でも高い上昇率でした(国土交通省・令和8年地価公示)。購入時より高く売れて、残債を上回ることも十分にあり得ます。私は、数字を確かめる前に諦めてしまうのが、いちばんもったいないと感じています。まずは残債と相場、この2つを並べてみる。そこから、あなたに合った道が見えてきます。
ご自身の家が今いくらで売れそうか、残債を踏まえてどんな選択肢があるか。残債を踏まえて、そもそも売れるのかから知りたい方へ。
よくあるご質問
Q1. 住宅ローンが残っていても、家は売れますか?
はい、売れます。多くの場合、住んだままローンが残る状態で売りに出し、買主が決まった段階で、引渡しと同時に売買代金でローンを一括返済して抵当権を抹消します。残債があること自体は、売却を妨げません。確かめるべきは「売却代金で残債と諸費用をまかなえるか」です。
Q2. 残債はどうやって調べればいいですか?
借入時に受け取った「返済予定表(償還予定表)」で、各時点の残高が分かります。手元にない場合や正確な額を知りたい場合は、借入先の金融機関に問い合わせれば、現在の残高や一括返済に必要な金額を確認できます。まずはここを正確に押さえることが出発点です。
Q3. 売却価格が残債を下回りそうです(オーバーローン)。どうすればいいですか?
一般には、①手持ち資金で不足分を補う、②買い替えなら住み替えローンを検討する、③返済継続が難しい場合は金融機関と相談のうえで任意売却を検討する、といった選択肢があります。まずは「いくら足りないのか」を正確に把握したうえで、慌てず比較することが大切です。
Q4. 任意売却をすると、信用情報に傷がつきますか?
任意売却そのものが直ちに事故情報になるわけではありませんが、任意売却に至る過程で住宅ローンの延滞などが生じると、その情報が個人信用情報機関に記録として残ることが一般的です。影響の有無やその後の扱いは金融機関・保証会社により異なります。断定は避けるべき領域ですので、金融機関への相談を出発点に、弁護士など専門家への確認をおすすめします。
Q5. 「50年ローン」だと、本当に売りにくくなるのですか?
超長期のローンは月々の返済が軽い一方で、元本(残債)の減りが遅くなります。そのため、数年後に売ろうとしたとき、残債が売値を上回りやすい局面が生まれやすいのは事実です。これから購入・買い替えをする方は、月々の軽さだけでなく、数年後に残債がどのくらい残るかまで見て選んでおくと安心です。
Q6. 流山市は今、売り時なのでしょうか?
流山市の住宅地は、令和8年(2026年)地価公示で前年比プラス13.3%と、県内でも高い上昇率でした(国土交通省)。一方で市場は月ごとに動くため、いつでも高く売れるとは限りません。大切なのは、エリアの傾向を踏まえつつ、ご自身の物件の査定額と残債を突き合わせて判断することです。正確な見込みは無料査定でご確認ください。
まとめ
住宅ローンが残っていても、家は売れます。売れるかどうかは、引渡しまでに残債を完済して抵当権を抹消できるか——つまり「残債と売却価格の関係」で決まる場面が多いのです。
やるべきことは2つだけ。残債を正確に把握することと、相場で売れる価格を知ること。この2つを突き合わせれば、アンダーローンかオーバーローンかが分かり、次の一歩が定まります。もしオーバーローンでも、手持ち資金・住み替えローン・任意売却といった道があります。慌てて諦める前に、まずは数字を並べてみてください。
明紗では、残債を踏まえて「そもそも売れるのか」という段階からのご相談をお受けしています。
→ 残債を踏まえた売却の無料相談・査定はこちら
オーバーローンで通常の売却が難しい場合は。
→ 買取という選択肢もご案内できます
本記事に関するご注意
- 本記事の内容は、執筆時点(2026年7月)の法令・税制・市場動向に基づいています。最新情報は管轄機関の公式情報をご確認ください。
- 個別具体的な不動産売却・税務・法務のご相談は、宅地建物取引業者・税理士・弁護士など各分野の有資格者へのご相談をお勧めします。
- 本記事に記載された金額・期間・条件は一般的な目安であり、お客様の物件・状況により異なります。正確なお見積もりは無料査定をご利用ください。
- 取引事例・実績は実際の案件に基づきますが、お客様情報保護のため詳細は一部加工しています。
宅地建物取引業 千葉県知事第17957号 合同会社明紗
この記事を書いた人:中山 裕章(合同会社明紗 代表)
流山市・柏市・松戸市・市川市の仲介売却を、一貫してご担当しています。他社で断られた物件こそ、まずはMEISAに。査定根拠100%開示・最短15営業日決済で、流山の相場感に根ざしたご提案をいたします。
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| 商号 | 合同会社明紗 MEISA G.K. |
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| 本社 | 〒270-0137 千葉県流山市市野谷168番地19 ライトガーツェおおたか101 |
| TEL | 090-3692-8253 |
| 事業内容 | 不動産売買(買取・分譲)/不動産仲介(売買)/不動産賃貸/不動産活用の企画・コンサルタント |
| 免許番号 | 千葉県知事(2)第17957号 |
| メール | meta-meisa@memoad.jp |
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