離婚で家を渡す・もらう・売るとき、見落とされがちな「税金」の話【流山市】

query_builder 2026/06/29
不動産売却
自宅で不動産の書類を前に、離婚に伴う家の税金を静かに考える人(流山市の不動産売却)

離婚にあたって自宅をどうするか。


話し合いは「どちらが住むか」「名義をどう変えるか」に向かいがちです。けれど、その陰で見落とされやすいのが税金です。しかも、税金がかかり得るのは「売った人」だけではありません。財産分与で家を渡した側にも、課税が生じることがあります。


「渡しただけなのに、税金?」と驚かれる方は少なくありません。ここを知らずに進めると、後から思わぬ申告と納税が必要になることがあります。逆に、離婚の前か後か、どの特例を選ぶか、いつ売るかを順番に整理すれば、落ち着いて選べることばかりです。


この記事では、流山市で離婚に伴うご自宅の整理を考える方に向けて、渡す側・もらう側それぞれの税金と、「共有のまま売って現金で分ける」という第三の選び方までを順に整理します。税額そのものより、「どこに注意すれば選択を誤らないか」をお持ち帰りいただくことを目指します。


なお、以下の数字はすべて、わかりやすさのための仮設例です。実際の税額はお住まいや取得の経緯によって変わりますので、最終的なご判断は税理士・税務署へのご確認をお勧めします。

離婚で家を「渡した側」にも、税金がかかることがある

「渡しただけなのに税金」の仕組み

離婚で家を分けるときの税金の全体図。渡す側=財産分与は時価で譲渡した扱いで譲渡所得課税があり得る・離婚後は3000万円控除の余地。もらった側=取得費が二本立て・5年判定で税率が変わる。名義変更の登録免許税2%、共有のまま売る選択肢も。

結論:財産分与で土地や建物を渡すと、税務上は「分与した時の時価で譲渡した」扱いになります。購入時より値上がりしていれば譲渡益が出て、渡した側に譲渡所得税がかかることがあります。「お金をもらっていないのに課税」が起こり得るのが、財産分与の見落としやすい点です。


まず、言葉の整理から。夫婦が離婚するとき、一方が相手方の請求に基づいて財産を渡すことを財産分与といいます。この財産分与が土地や建物などで行われたときは、渡した人に譲渡所得の課税が行われることになります。このとき、分与した時のその土地や建物の時価が、譲渡所得の収入金額として扱われます(国税庁タックスアンサーNo.3114/2026年6月確認)。


「ものを“渡しただけ”なのに、なぜ税金が」と感じられるかもしれません。実は、単に人へ財産をあげる(贈与する)だけなら、渡した側に所得税はかかりません。ところが財産分与は、税法上は“ただの贈与”ではなく、「分与した時の時価で、いったん譲渡した」ものとして扱われます。


これは、値上がりした分(増加益)を、資産が手元から移るこの機会にまとめて清算して課税する、という所得税の考え方によるものです(所得税基本通達33-1の4/2026年6月確認)。だから、現金を一円も受け取っていなくても、値上がりしていれば譲渡益があったものとして課税され得るのです。ここが、贈与との大きな違いです。

流山の仮設例でみる「1,000万円の譲渡益」

仮の例で見てみます。流山市の共働きのご夫婦が、自宅(土地・建物)を夫1/2・妻1/2の共有名義で購入したとします。住宅ローンはすでに完済。購入時の価格は6,000万円(持分ごとに各3,000万円)でしたが、その後、地価が上がって時価8,000万円(各4,000万円)になっていたとしましょう。


離婚に伴い、夫が自分の持分1/2を財産分与で妻に渡し、妻が家の全部を所有する形になる——この話し合い自体はよくある形です。ところが税務の世界では、夫は「3,000万円で取得した持分を、時価4,000万円で譲渡した」とみなされます。差額の1,000万円が譲渡益となり、ここに課税があり得るのです。現金を受け取ったわけではなく持分を渡しただけ。それでも申告と納税が必要になることがある——これが「渡しただけなのに税金」と言われる構造です。


なお、この数字は仕組みをつかむための単純化です。実際には、建物の取得費は購入額そのままではなく、経過した年数に応じた減価償却分を差し引いた額になります(国税庁タックスアンサーNo.3261/2026年6月確認)。さらに、取得時の契約書などが見つからず取得費がはっきりしない場合は、売却額(分与時の時価)の5%しか取得費にできないことがあります(概算取得費/国税庁タックスアンサーNo.3258)。そのため、「購入時より値上がりしていなければ税金はかからない」とは単純には言い切れません。


相場が上がっていなくても、税務上の利益(と税額)が出ることがあるのです。「値上がりしていないから関係ない」と決めつけず、土地と建物を分けて、取得時の資料をもとに税理士に試算してもらうのが安全です。流山市のように相場が動いてきたエリアなら、なおさら確かめておく価値があります。

「離婚の前」と「後」で、使える特例が変わる

離婚“後”なら3,000万円控除の余地が出る

結論:マイホームを売ったときの3,000万円特別控除は、配偶者や親族に渡した場合には使えません。つまり、離婚が成立する「前」に分与すると配偶者にあたり対象外ですが、「後」であれば配偶者ではなくなるため、ほかの要件を満たせば使える余地が出てきます。タイミングが特例の可否を左右することがあるのです。


渡した側に譲渡益が出ても、自宅であれば軽くできる可能性があります。居住用財産を売ったときの3,000万円特別控除です。これは、マイホームを売ったときの利益(譲渡所得)から最高3,000万円まで差し引ける特例で、所有期間の長短を問わず使えます(国税庁タックスアンサーNo.3302/2026年6月確認)。


ここで注意したいのが、この特例には「親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと」という要件があることです(同No.3302)。婚姻中はお互いが配偶者ですから、離婚が成立する前に財産分与をすると、この「特別の関係がある人」への譲渡にあたり、特例の対象外になります。


一方、離婚が成立した後であれば、相手はもう配偶者ではありません。そのため、ほかの要件を満たせば、渡した側がこの3,000万円控除を使える余地が出てきます。先ほどの仮設例なら、1,000万円の譲渡益に対して特例が使えれば、税負担を大きく抑えられる可能性があります。ただし「離婚後なら使える」と決まっているわけではなく、適用には個別の要件確認が必要です。


ここで一つ補足します。これは「離婚届を出す前か後か」という話し合いのタイミングだけで決まるものではありません。実際にいつ・どんな法的原因で名義を移したかで扱いが変わり得ます。たとえば、離婚成立前に名義を移してしまうと贈与と整理される場合もあれば、協議は先に進めつつ、登記の原因日を離婚成立日として移す進め方もあります。「離婚後にすれば、とにかく大丈夫」と早合点せず、移す時期と進め方は税理士・司法書士に相談しながら決めるのが安全です。

3,000万円控除と住宅ローン控除は併用できない

もう一つ、見落とされやすいのが住宅ローン控除との関係です。家を渡した側が、その後に新しい住まいを住宅ローンで購入するとします。このとき、3,000万円控除と住宅ローン控除は同じ時期に両方を使うことができません。具体的には、住宅ローン控除は、入居した年・その前年・前々年にこの3,000万円特例を受けていると使えず、入居した年の翌年から3年目までの間に特例を受ける場合も使えません(同No.3302)。入居の年を挟んで前後それぞれ数年が重なるため、「分与時の税金を特例で消すか、新居で住宅ローン控除を取るか」という選択になることがあります。どちらが有利かは金額次第ですので、両方を並べて比べるのが安全です。


ご自宅に今いくらの値がつくのかが分かると、こうした選択の判断材料になります。まずは無料査定で、数字の土台をお持ちになることをお勧めします。


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家を「もらった側」が見落としがちな、取得費の「二本立て」

もらった側の取得費の二本立ての図。もともと持っていた1/2は購入時の価額・購入時から(長期20.315%)、離婚でもらった1/2は分与時の時価・分与日から(短期39.63%)。いつ売るかで税率が変わる。

結論:財産分与で家をもらった人は、その持分を「分与を受けた日に、その時の時価で取得した」ことになります。もともと持っていた持分と、もらった持分とで、取得費も取得時期も別々の「二本立て」になります。将来その家を売るときの税額に効いてくるため、特に「いつ売るか」に注意が必要です。


家をもらう側にも、知っておきたい論点があります。分与を受けた人は、分与を受けた日に、その時の時価で土地や建物を取得したことになります(国税庁タックスアンサーNo.3114/2026年6月確認)。


これは、相続の場合とは正反対です。相続では、亡くなった方の取得費や取得時期をそのまま引き継ぎます。一方、財産分与では、もらった持分を「その時の時価で、新たに取得し直した」と扱うのです。相続のときの税金の考え方は別の記事相続した不動産を売るときの税金で整理していますので、混同しやすい方はあわせてご覧ください。


先ほどの仮設例で、妻の側を見てみます。妻は家の全部を所有することになりましたが、その中身は二種類です。ひとつは、もともと自分が持っていた1/2。これは購入時の価額(仮設例では10年前・3,000万円)が取得費で、取得時期も10年前です。


もうひとつは、離婚時に夫からもらった1/2。これは分与時の時価(同4,000万円)が取得費で、取得時期は離婚した日(仮設例では4年前)になります。つまり、同じ家なのに取得費も取得時期も二本立てになるわけです(建物部分の取得費は、いずれも先ほど触れたとおり減価償却を差し引いた後の額になります)。

5年判定(長期20.315%/短期39.63%)と売り時

これが効いてくるのが、将来この家を売るときです。譲渡所得の税率は、売った年の1月1日時点での所有期間で変わります。所有期間が5年を超えていれば長期譲渡として税率は約20.315%、5年以下だと短期譲渡として約39.63%です(国税庁タックスアンサーNo.3208・No.3211/2026年6月確認)。もらった1/2は取得時期が「離婚した日」から数えられるため、もともとの持分は長期でも、もらった持分はまだ短期、という状態が起こり得ます。


ですから、もらった側が将来売却を考えるなら、「いつ売るか」も立派な設計事項です。もらった持分が5年を超えるタイミングを意識するだけで、税率の差が結果に響くことがあります。焦って売る理由が特になければ、ここは落ち着いて時期を選ぶ余地があります。


もう一つ、もらった側には住宅ローン控除の論点もあります。財産分与で居住用家屋の共有持分を追加取得した場合は、新たに家屋を取得したものとして扱われます。一定の住宅ローンがあるなどの要件を満たせば、その追加取得分についても住宅ローン控除の適用を受けられる余地があります(国税庁タックスアンサーNo.1237)。住み続けながらローンを組み直すような場合は、確認しておくとよいでしょう。


なお、ここまでは譲渡所得税が中心でしたが、家の名義を変えること自体にも税金がかかります。財産分与による所有権移転の登記には登録免許税がかかり、税率は不動産の価額(固定資産税評価額が基準)の原則2%(1,000分の20)です(国税庁タックスアンサーNo.7191)。相続による移転(0.4%)より高いので、名義変更の費用としてあらかじめ見込んでおくと安心です。

渡す・もらうの前に──「共有のまま売って現金で分ける」という選び方

穏やかな光の差す、片付いた住まいの居間(離婚に伴う住まいの整理・流山市)

結論:家を一方に寄せる(渡す・もらう)だけが選択肢ではありません。離婚に伴い、共有名義のまま売却して、その代金を分ける方法もあります。誰かが住み続けないのであれば、現金で分けるほうが分かりやすく、後腐れも残りにくい——明紗では、この選び方をフラットにご案内しています。


ここまで「渡す側」「もらう側」の税金を見てきましたが、そもそも「家を誰かに寄せる」ことだけが答えではありません。離婚にあたって、共有名義のまま家を売却し、その代金を持分に応じて分けるという選び方もあります。


この方法には、いくつかの良さがあります。誰も住み続けないなら、現金にして分けるほうが、後々の名義や税金の論点がすっきりすること。どちらか一方に家と税負担が偏らず、公平に分けやすいこと。そして、共有のまま第三者に売る場合は、お互いが「特別の関係がある人」への譲渡ではないため、それぞれが自分の持分について3,000万円控除を検討できる余地があること(要件確認は必要です)。共有のマイホームの3,000万円控除は、共有者ごとに判定されます(国税庁No.3308)。もちろん、住宅ローンが残っている場合は話が変わりますが、その点は後ほど触れます。

流山の現場から

明紗では、流山市で離婚に伴うご自宅の整理のご相談をお受けしています。お話を伺っていると、税金の話を切り出した瞬間に驚かれることが少なくありません。「渡す側にも税金がかかることがある」と知らないまま、名義変更の話だけが進みかけていた、ということもあります。


私がいつもお伝えしているのは、あわてて結論を出さなくていい、ということです。離婚の話し合いは、それだけで気力を使います。そこに税金の不安まで重なると、冷静な判断は難しくなります。だからこそ、まずはご自宅にいくらの値がつくのかという「動かない数字」を一つ持つことから始めていただきたいのです。査定の根拠は、すべてお見せします。立場や事情を詮索することはありません。安心して、材料を取りに来ていただければと思います。


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なお、ここまでは住宅ローンを完済しているケースを前提にしてきました。残債が残っている、ペアローンや連帯債務になっている、という場合は、売却代金で完済できるか(オーバーローンかどうか)など別の論点が加わります。その場合の進め方は、また別の機会に詳しくご説明します。近所に知られずに売りたいというご事情がある方も、配慮した進め方が可能です。

住宅ローン控除・名義変更・残債

Q. 新居を住宅ローンで買う予定です。3,000万円控除と住宅ローン控除は両方使えますか?

同じ時期に両方を使うことはできません。住宅ローン控除は、入居した年・その前年・前々年に3,000万円特例を受けていると使えず、入居の翌年から3年目までに特例を受ける場合も使えません(国税庁No.3302)。どちらが有利かは金額によるため、両方を試算して比べることをお勧めします。


Q. 名義変更そのものにも税金はかかりますか?

かかります。財産分与で不動産の名義を移す(所有権移転登記)には登録免許税がかかり、税率は不動産の価額(固定資産税評価額が基準)の原則2%(1,000分の20)です(国税庁No.7191)。相続による移転(0.4%)より高いので、名義変更の費用として見込んでおきましょう。


Q. 住宅ローンがまだ残っています。同じように考えてよいですか?

残債がある場合は、別の注意が必要です。売却代金でローンを完済できるか、ペアローンや連帯債務をどう整理するかなど、論点が増えます。本記事は完済済みのケースを前提にしていますので、残債が残る場合は個別にご相談ください。

まとめ

離婚に伴う家の整理は、「どちらが住むか」「名義をどうするか」に目が向きがちですが、税金の面では見落としが二つあります。渡す側には「分与=時価で譲渡した」扱いで譲渡所得課税があり得ること。もらう側は取得費と取得時期が二本立てになり、将来の売却時の税額と「売り時」に効いてくること。


そして、離婚の前か後か、3,000万円控除を取るか住宅ローン控除を取るか、いつ売るか——どれも「順番」で選べる設計事項です。加えて、名義変更そのものの登録免許税という別の税金もあります。渡す・もらうだけでなく、共有のまま売って現金で分けるという第三の道もあります。焦って決める必要はありません。


最初の一歩は、ご自宅にいくらの値がつくのかを確かめることです。それが、税理士や弁護士に相談するときにも、ご家族で話すときにも、いちばん確かな材料になります。


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費用は発生しません。お急ぎの事情がある場合は、買取という選択肢もご案内できます。なお、売却で譲渡所得が出た場合、翌年の住民税などにも影響することがあります。詳しくは売却後の翌年の負担をご覧ください。

本記事に関するご注意

  • 本記事の内容は、執筆時点(2026年6月)の法令・税制に基づいています。最新情報は管轄機関の公式情報をご確認ください。
  • 記事中の金額・税率・計算例は、わかりやすさのための一般的な目安・仮設例であり、お客様の物件・状況により異なります。
  • 個別具体的な税務・法務・登記のご相談は、税理士・弁護士・司法書士など各分野の有資格者へのご相談をお勧めします。特例の適用可否は個別の要件確認が必要です。
  • 正確なお見積もりは無料査定をご利用ください。取引事例・実績はお客様情報保護のため一部加工しています。

宅地建物取引業 千葉県知事第17957号 合同会社明紗

中山 裕章 流山市・柏市・松戸市・市川市の仲介売却を一貫してご担当します。「他社で断られた物件こそ、まずは明紗に」を掲げ、査定根拠100%開示・最短15営業日決済の体制で、流山町丁目の相場感に根ざしたご提案を行っています。一軒に、一つの物語を。

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