不動産売却でかかる費用の全知識 - プロが教える具体的な金額と注意点

query_builder 2022/11/07
不動産売却不動産業界
不動産売却時にかかる費用の目安 - 税金や手数料などの全費用について解説

「不動産を売却したいけど、どのくらいの費用がかかるんだろう...」
「思わぬ出費が後から発生するのではないか...」


不動産売却を考える多くの方が、このような不安を抱えています。実際、不動産売却には様々な費用が発生し、想定外の出費に驚かれる方も少なくありません。


不動産取引経験上言えることは、売却費用は適切に把握し、計画を立てることで十分にコントロール可能だということです。


この記事では、以下の内容を具体的な金額とともに解説していきます。
・必ず発生する基本費用(仲介手数料、印紙税など)
・物件の状況によって発生する可能性のある追加費用
・住宅ローンがある場合の費用
・売却時に関係する税金
・費用を抑えるためのプロのアドバイス

「知っておけば良かった」という後悔をしないために、まずは費用の全体像を把握していきましょう。


不動産売却時にかかる主な費用の全体像

費用の種類と概算

不動産売却時にかかる費用一覧

1. 必須の基本費用
費用項目 金額の目安 発生タイミング 備考
仲介手数料 売却価格の3%+6万円+消費税 契約時・決済時 4000万円の物件の場合、約132万円
印紙税 1~3万円 契約時 売買金額により変動(1000万円超5000万円以下:1万円)
登記費用 1~2万円 決済時 基本的な登記費用の場合
2. 物件状況による追加費用
測量費用 30~70万円 売却前 境界確定が必要な場合
残置物撤去 20~50万円 売却前 物件の状況により変動
建物解体 100~200万円 売却前 建物の規模により変動
ハウスクリーニング 10~15万円 売却前 物件の広さにより変動
3. ローン関連費用
繰上返済手数料 金融機関により異なる 決済時 事前に金融機関に確認が必要
抵当権抹消費用 1~2万円 決済時 登記費用に含まれる
4. 税金関連費用
譲渡所得税 売却利益に応じて計算 確定申告時 特例措置の適用可能性あり
住民税 譲渡所得に応じて計算 確定申告時 地域により税率が異なる
💡 予算立てのポイント
1. 売却価格の約5%を基本費用として見込む
2. 物件の状態に応じて追加費用を算定
3. ローン残債がある場合は、手数料も含めて確認

必ず発生する基本費用

仲介手数料について

仲介手数料は不動産売却における最も大きな費用の一つです。宅地建物取引業法で上限が定められており、以下の計算式で算出されます。

売買代金400万円超の場合
売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税
ただし、これは簡易計算式です。正確には以下の段階的な計算となります。
・200万円以下の部分:5%
・200万円超~400万円以下の部分:4%
・400万円超の部分:3%

【具体例】
3,000万円の物件を売却する場合:

200万円×5%=10万円
200万円×4%=8万円
2,600万円×3%=78万円
合計:96万円+消費税

印紙税について

売買契約書作成時に必要な印紙代です。売買金額によって金額が変わります。

・1,000万円超~5,000万円以下:1万円
・5,000万円超~1億円以下:3万円

※印紙は契約書の作成時に必要で、通常は最寄りの郵便局で購入できます。

登記関連費用

基本的な登記費用は1~2万円程度ですが、以下の場合は追加費用が発生します。

・住宅ローンがある場合の抵当権抹消:1~2万円追加
・登記識別情報を紛失している場合:10~15万円追加

物件状況により発生する追加費用

1. 測量費用(30~70万円)
🔍 必要となるケース
・界が不明確な場合
・古い測量図しかない場合
・隣地との境界トラブルが予想される場合
💡 実務上のポイント
・購入検討者から境界確認を求められるケースが増加
・事前の測量で紛争を防ぎ、スムーズな売却が可能に
・測量図があると売却価格の維持にも効果的

2. 残置物撤去費用(20~50万円)
📦 費用が発生するケース
・家財道具や不用品が大量にある場合
・庭の植木や物置の撤去が必要な場合
・ゴミ屋敷化している場合
💰 費用の目安
・軽トラック1台分:3~5万円
・2トントラック1台分:8~12万円
・大型家具や特殊な廃棄物:別途費用

3. 建物解体費用(100~200万円)
🏠 解体が必要となるケース
・土地としての売却を考える場合
・建物の老朽化が著しい場合
・再建築不可の建物の場合
⚡ 価格に影響する要因
・建物の規模

・建物の構造(木造・鉄骨造・RC造)
・アスベストの有無
・立地条件(搬出経路等)

4. ハウスクリーニング費用(10~15万円)
🧹 標準的な内容
・床、壁、天井の清掃
・キッチン、浴室、トイレの清掃
・エアコン、換気扇のクリーニング
・窓・サッシの清掃
📈 費用を左右する要因:
・物件の広さ
・汚れの程度
・建物の築年数
・オプションサービスの有無

💡 コスト削減のプロアドバイス
・残置物は可能な限り自身で処分
・解体を行う場合は複数社から見積りを取得
・クリーニングは物件の状態と売却価格を考慮して判断
・測量は近隣との関係性を考慮して実施を検討

住宅ローン返済に関する費用

見出しのコピー (1)

1. 残債の確認と手数料
残債確認のポイント
・金融機関に残債照会を行う(手数料:0~1,000円程度)
・完済時の手数料が発生(金融機関により異なる)
・直近の返済予定表で概算把握が可能

一般的な手数料例
・繰上返済手数料:0~55,000円
 ・全額返済の場合が最も高額
 ・銀行によって料率が異なる
・解約事務手数料:3,000~5,500円
・抵当権抹消の司法書士費用:15,000~22,000円

2. ペナルティについて
固定金利期間中の完済には要注意
・固定金利特約期間中の全額返済
 ・33,000円+その他手数料が一般的
 ・場合によっては金利差額の補填が必要

3. 具体的な費用試算例
借入額3,000万円、残債2,000万円の場合:
・残債照会手数料:1,000円
・繰上返済手数料:33,000円
・解約事務手数料:5,500円
・抵当権抹消費用:22,000円
・合計:約61,500円

💡 実務上の注意点
・売買契約前に残債の正確な金額を確認
・手数料の発生タイミングを把握
・固定金利の場合は事前に違約金を確認
・完済に必要な書類を事前に準備

税金関連

見出しのコピー (2)

譲渡所得税と住民税

基本的な税率
・所有期間5年超(長期)の場合

 ・譲渡所得税:15%
 ・住民税:5%
 ・合計:20%
・所有期間5年以下(短期)の場合:
 ・譲渡所得税:30%
 ・住民税:9%
 ・合計:39%


計算方法

譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用
課税所得 = 譲渡所得 - 特別控除額(適用がある場合)
納税額 = 課税所得 × 税率

主な特例措置

居住用財産の3,000万円特別控除
・要件:売却前に住んでいた家
・効果:譲渡所得から3,000万円を控除

マイホームの買い替え特例
・要件:住み替えで新たな住居を購入
・効果:譲渡所得の課税を繰り延べ可能

相続した家屋の特例
・要件:相続開始から3年以内の売却
・効果:取得費を売却時の価額の80%とみなす

具体的な計算例

【例:3,000万円で購入した家を4,000万円で売却】
・取得費:3,000万円
・譲渡費用:200万円
・譲渡所得:800万円(4,000万円 - 3,000万円 - 200万円)
・税額:160万円(800万円 × 20%)※長期所有の場合

💡 税金対策のポイント
・売却前に居住用財産の特例適用可否を確認
・複数の特例がある場合は最適なものを選択
・確定申告の期限(売却年の翌年3月15日)を意識
・不明点は税理士に相談することを推奨

費用を抑えるためのポイント

対策

事前準備で防げる追加費用

必要書類の準備
・登記識別情報(権利証)の保管場所確認
・固定資産税評価証明書の取得
・住宅ローンの残高証明書の取得
➡️ 書類紛失による再発行手数料や追加費用を防止できます


物件の整理・清掃
・不用品の段階的な処分
・日常的な清掃の実施
・庭の手入れや簡単な補修
➡️ 残置物処分費用やクリーニング費用の削減につながります

解体・測量費用の適正化

・複数業者から見積りを取得(最低3社)

賢い税金対策

・売却のタイミングの検討
 ・所有期間5年超を意識
 ・確定申告期限との兼ね合い
・特例措置の活用検討
・売却に伴う経費の記録保管

まとめ:重要な3つのポイント

・早めの準備と計画的な実施が費用削減の基本
・必要な投資と削減可能な費用の見極めが重要
・専門家への相談で最適な方法を選択

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