マイホーム売却で損したくない!知らないと損する10年超所有の税金控除術

query_builder 2022/10/12
不動産売却
10年超所有軽減税率の特例 - マイホーム軽減税率をザックリと解説

マイホームの売却を考えているけれど、税金のことを考えると頭が痛い...


そうではありませんか?


マイホームの売却では適切な知識があるとないとでは、数百万円も税負担が変わってくることがあります。

税制優遇を知らなかったばかりに、必要以上の税金を支払ってしまったケースをたくさん見てきました。


こんな事がありました。
築20年の戸建住宅を売却したAさん。購入時1億円(土地7,000万円、建物3,000万円)の物件を1億2,000万円で売却。仲介手数料等の諸経費約466万円を差し引いた結果、譲渡益は約4,500万円となりました。


税理士に相談せず、不動産会社の言われるままに売却を進めたAさん。3,000万円特別控除を利用したものの、残りの課税対象額1,500万円に対して「10年超所有軽減税率の特例」を知らなかったため、約91万円(1,500万円 × (20.315% - 14.21%))の余計な税負担が発生してしまいました。


本記事では、マイホーム売却時に使える「10年超所有軽減税率の特例」について、具体的な計算例を交えながら、わかりやすく解説していきます。この特例を理解して活用すれば、適切な節税対策が可能になります。


まずは、不動産売却時の税金の基本から見ていきましょう。


不動産売却時の税金の基本

マイホームを売却すると、その利益(譲渡益)に対して「譲渡所得税」が課税されます。この税金は、所有期間によって税率が大きく異なります。


【短期と長期で異なる税率】
短期譲渡所得:5年以下

約39.63%(所得税30% + 住民税9% + 復興特別所得税0.63%)


長期譲渡所得:5年超

約20.315%(所得税15% + 住民税5% + 復興特別所得税0.315%)

なぜこのような違いがあるのでしょうか?
これには、投機的な不動産取引を抑制する狙いがあります。短期売買での利益に高い税率を設定することで、長期保有を促し、不動産市場の安定化を図っているのです。


例えば、譲渡益1,000万円の利益の出る物件を売却した場合
・短期(5年以下)の場合:約396万円の税金
・長期(5年超)の場合:約203万円の税金
約193万円もの差が生じます。

さらに、10年以上所有していた場合は、より大きな優遇を受けられる可能性があります。それが「10年超所有軽減税率の特例」です。


では、具体的にどのような特例なのか、次のセクションで詳しく見ていきましょう。

10年超所有軽減税率の特例とは

10年超所有軽減税率の特例は、長年住み続けた自宅を手放す方のための税制優遇制度です。

この特例を使うことで、通常の長期譲渡所得税率よりもさらに低い税率が適用されます。


【具体的な税率】
譲渡益6,000万円以下の部分

約14.21%(所得税10% + 住民税4% + 復興特別所得税0.21%)


譲渡益6,000万円超の部分

約20.315%(所得税15% + 住民税5% + 復興特別所得税0.315%)
※通常の長期譲渡所得と同じ税率

【具体的な節税効果】
例えば、譲渡益5,000万円の利益の出る物件を売却する場合
・通常の長期譲渡所得の場合
 5,000万円 × 20.315% = 約1,015万円の税金

・10年超所有軽減税率を適用した場合:
 5,000万円 × 14.21% = 約710万円の税金

この場合、約305万円もの節税効果が得られます。
さらに、この特例は「3,000万円特別控除」と併用することができます。

つまり、まず譲渡益から3,000万円を控除し、残りの金額に対して14.21%の軽減税率を適用できるのです。

特例を受けるための5つの条件

10年超所有軽減税率の特例を利用するためには、以下の5つの条件をすべて満たす必要があります。ひとつでも欠けると適用できませんので、注意が必要です。


【1】日本国内にある居住用財産であること
・売却時まで実際に住んでいた家屋と敷地が対象
・賃貸に出していた物件は対象外
・別荘や空き家として保有していた物件も対象外

【2】売却年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていること
・例:2024年に売却する場合、2014年12月31日以前に取得している必要あり
・登記簿上の取得日が基準
・建替えをしても土地の所有期間が継続していれば対象

【3】売却年の前年・前々年に、この特例を利用していないこと
・3年に1回しか使えない制度
・複数の物件を短期間で売却する場合は要注意

【4】他の特例(買換え特例など)と重複して利用していないこと
・3,000万円特別控除は併用可能
・買換え特例との併用は不可
・特定の居住用財産の譲渡損失の特例との併用も不可

【5】売主と買主が特別な関係(親族など)でないこと
・配偶者への売却は対象外
・直系血族(親・子など)への売却も対象外
・同一生計の親族への売却も対象外

次のセクションでは、3,000万円特別控除との併用方法について、具体的な計算例を交えながら解説していきます。

アドバイス

3,000万円特別控除との併用テクニック

この10年超所有軽減税率の特例の大きな特徴は、3,000万円特別控除と併用できることです。適切に組み合わせることで、最大限の節税効果を得ることができます。


【併用の基本的な流れ】
1.まず譲渡益から3,000万円を控除
2.残額に対して軽減税率(14.21%)を適用

【具体的な計算例】
築20年の自宅を売却し、譲渡益が5,000万円の場合
1.3,000万円特別控除の適用
譲渡益5,000万円 - 特別控除3,000万円 = 課税対象額2,000万円
2.残額に軽減税率を適用
課税対象額2,000万円 × 14.21% = 約284万円の税金

【通常の長期譲渡所得との比較】
特例を使わない場合
譲渡益5,000万円 × 20.315% = 約1,015万円の税金

この場合、約731万円もの節税効果が得られます!
ここで重要なポイントは、先に3,000万円特別控除を適用し、その後に軽減税率を適用するという順番です。

この順序を間違えると、正しい計算ができませんのでご注意ください。

申請手続きと注意点

この特例を利用するためには、必ず確定申告が必要です。具体的な手続きの流れと、よくあるトラブルについて解説します。


【必要な手続きと書類】

1.確定申告書の提出

・提出期間:売却した年の翌年2月16日〜3月15日

・提出先:管轄の税務署


2.必要書類

・確定申告書(分離課税用)

・収支内訳書

・売買契約書のコピー

・登記事項証明書

・住民票の写し(転居後の新しい住所を証明)

・その他取得費や譲渡費用の証明書類


【よくある注意点】

1.居住要件について

・売却時まで住み続けている必要あり

・引っ越し後の売却は要注意

・一時的な転勤等で空家の場合は、税務署に要相談

2.建替えした場合

・建物を建て替えても土地の所有期間は継続

・建替え中の一時転居は居住継続とみなされる場合あり

3.確定申告の期限

・期限を過ぎると特例が受けられない

・売却後すぐに準備を始めることをお勧め

4.住宅ローン控除との関係

・住宅ローン控除は、売却した年分では適用終了

・新しく購入する住宅では再度適用可能


【トラブルを防ぐために】

・売却前に税理士等の専門家に相談

・不動産会社任せにせず、自身でも要件を確認

・期限に余裕を持って手続きを進める

まとめ:マイホーム売却の税金チェックリスト

チェックリスト

10年超所有軽減税率の特例を活用するために、以下のチェックリストをご活用ください。


【売却前のチェックポイント】
✓ 所有期間は10年を超えているか
✓ 実際に住んでいる家か
✓ 過去2年以内に同じ特例を使っていないか
✓ 買主は親族でないか
✓ 3,000万円特別控除と併用するか
✓ 他の特例との選択は検討したか


【確定申告時の準備物】
✓ 売買契約書
✓ 登記事項証明書
✓ 住民票の写し
✓ 取得時の書類
✓ 諸経費の領収書


【売却後のスケジュール管理】
✓ 確定申告の期限(翌年3月15日)を確認
✓ 必要書類の収集時期を設定
✓ 税理士への相談時期を決定


最後に一言

不動産の売却は人生の大きな決断です。「知っていれば」と後悔しないよう、売却前に税理士等の専門家に相談することをお勧めします。売却費用の数%の相談料で、数百万円の節税効果が得られる可能性があります。


税金のことは複雑でわかりにくいものです。不安な点があれば、必ず専門家に相談してください。

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