親が認知症になると実家は売れない|元気なうちの3つの備え【流山市】|MEISA 明紗

query_builder 2026/06/23
不動産売却
実家の今後を考える、親世代を持つ子世代(流山市・認知症と不動産売却の備え)

親が認知症になると、実家は「売りたくても売れない」状態になることがあります。本人に売買契約を結ぶ判断力がないとみなされると、契約そのものが無効になりうるからです。けれど、元気な今のうちなら、打てる手があります。


先にお伝えします。第一に、認知症で判断力を失うと、家も預金も「凍結」され、家族でも動かせなくなること。第二に、その後に売るには成年後見という重い手続きが要り、時間も費用もかかること。第三に、元気なうちなら、家族信託・任意後見・銀行の代理人届出という、より軽い備えが選べること。


この記事でわかること

  • なぜ認知症になると、実家が「売れない」状態になるのか
  • 認知症になった後でも売る方法(成年後見)と、その重さ
  • 親が元気なうちにできる3つの備えと、それぞれの費用感
  • 売ると決めたときに気をつけたい、税金の「3年の期限」
  • 流山市での相談先(地域包括支援センター・家庭裁判所)

スマートフォンの向こうで、親の声が少しずつ変わっていく。同じ話を二度、三度。昨日の夕食を思い出せない。施設を考え始めた矢先、ふと気づくのです。「実家は、どうなるんだろう」。空いた家を売って介護の費用にあてよう──そう考えていた計画が、ある日を境に、進められなくなる。


遠くに住んでいて、すぐには動けない。親はまだ自分のことは自分でやれている。だから、つい「もう少し落ち着いてから」と先延ばしにしてしまう。


けれど、ここで一度だけ、立ち止まってほしいのです。実家の売却は、親に判断力があるうちと、なくなった後とで、難しさがまるで変わります。この記事は、流山市でご実家を持つあなたが、「何を、いつまでに考えればいいか」を順番に確認できるようにするための地図です。

親が認知症になると、なぜ実家は売れなくなる?

親の変化に気づき、実家の今後を考え始める子世代(流山市・認知症と不動産売却)

結論:不動産を売るには、売る本人に「契約の意味を判断できる力(意思能力)」が必要です。認知症が進んでこの力を欠くとみなされると、結んだ売買契約は無効になりうるため、実質的に売れなくなります。


家を売るという行為は、法律の上では「契約」です。そして契約は、結ぶ本人が「これはどういう意味の約束なのか」を理解できる状態でなければ成立しません。法律でも、意思能力を有しない状態でした法律行為は無効とされています(民法第3条の2/2026年6月確認)。


つまり、認知症が進んで判断力を失った親が「家を売る」と署名しても、その契約は後から無効になりうる、ということです。だから不動産会社も司法書士も、ご本人の意思が確認できない売買は進められません。家は、そこにあるのに、誰も動かせない。これが「凍結」です。


見落とされがちなのが、共有名義の家です。たとえば父名義と母名義で半分ずつ持っている家の場合、片方が認知症になると、家全体を売ることが難しくなります。自分の持分だけを売ることは制度上は可能ですが、買い手は限られ、価格も大きく下がりやすいため、現実的な選択肢になりにくいのが実情です。


さらに、凍結されるのは家だけではありません。親名義の預金も、金融機関が判断力の低下を把握すると、引き出しが制限されることがあります。家は売れない、預金は下ろせない、それでも介護の費用は毎月かかる。この三つが重なると、ご家族の負担は一気に重くなります。

認知症になった後でも、実家を売る方法はある?

結論:方法はあります。成年後見制度を使えば、家庭裁判所が選んだ後見人を通じて売れる場合があります。ただし、後見人は家族が自由に選べず、居住用の家を売るには家庭裁判所の許可が必要で、手続きには時間も費用もかかります。「最後の手段」と考えておくのがよいでしょう。


親がすでに判断力を失っている場合、残された主な道が成年後見制度です。判断力が不十分な人に代わって、財産の管理や契約を行う人(成年後見人)を家庭裁判所が選任する制度です。


ただ、知っておきたい点がいくつかあります。

ひとつは、後見人を家族が選べるとは限らないこと。後見人は家庭裁判所が選任します。「自分が後見人になりたい」と申し立てても、希望どおり認められるとは限りません。令和6年(2024年)の統計では、親族が後見人等に選ばれた割合は全体の約2割でした。残りの多くは、司法書士・弁護士・社会福祉士といった専門職が務めています(最高裁判所「成年後見関係事件の概況」令和6年/2026年6月確認)。


もうひとつは、費用が続くこと。専門職が後見人になると、報酬が本人の財産から継続して支払われます。基本報酬の目安は月2万円程度からで、管理する財産が多いほど高くなります(家庭裁判所「報酬額のめやす」/2026年6月確認)。後見は原則として本人が亡くなるまで続くため、年単位で負担が積み重なっていきます。


そして、実家を売るにはもう一段の手続きが要ること。成年後見人が本人の居住用不動産を売るには、家庭裁判所の許可が必要です(民法第859条の3/2026年6月確認)。許可なく売った場合、その売却は無効になります。施設に入っていて今は住んでいなくても、過去に生活の本拠だった家は「居住用」として扱われます。


なお、成年後見制度は現在、より使いやすくする方向で見直しが検討されています。家庭裁判所が利用期間を区切れる仕組みや、必要な範囲だけ支援を頼める仕組みなどが議論されています(法務省「民法(成年後見等関係)等の改正に関する中間試案」令和7年6月/2026年6月確認・継続審議中)。ただし、改正の内容や時期はまだ確定していません。いま親の実家を考える上では、「後見はできるが、軽くはない」という現状を前提にしておくのが安全です。


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親が元気なうちに、できる備えは?

家族信託という選択

結論:親に判断力があるうちなら、選択肢は広がります。代表的なのは、①家族信託、②任意後見、③銀行の代理人届出の3つです。それぞれ費用と効力が違うため、「どこまで備えたいか」で選びます。どれが最適かは家庭の事情によるので、早めに専門家と家族で話し合うことをお勧めします。


凍結を防ぐ一番の方法は、親が「契約の意味を判断できる」うちに、将来に備えておくことです。代表的な3つを、フラットに整理します。


家族信託は、親(委託者)が元気なうちに、信頼できる家族(受託者)に財産の管理・処分を任せておく仕組みです。たとえば「実家を管理し、必要になったら売って、その代金を親の介護に使う」と決めておけば、後に親の判断力が低下しても、家族の判断で売却を進められます。


メリットは、家庭裁判所の関与なく家族の裁量で動かせる柔軟さです。一方で、設計には初期費用がかかります。専門家に依頼する場合、財産の内容や契約の組み方によりますが、30万〜100万円程度が一例として挙げられます。ランニングコストは原則かからない設計も可能です。金額は事案により幅があるため、見積もりを取って比べるのがよいでしょう。

任意後見・銀行の代理人届出

親子で実家のこれからを話し合う場面(流山市・家族信託と認知症対策の備え)

任意後見は、親が元気なうちに「将来、判断力が低下したら、この人に後見を任せる」と公正証書で契約しておく制度です。実際に判断力が低下したとき、家庭裁判所が任意後見監督人を選び、効力が始まります。後見人を自分で選べる点が法定後見との違いですが、監督人への報酬が継続して発生します(任意後見契約に関する法律・法務省/2026年6月確認)。


銀行の代理人届出は、3つの中で最も手軽な備えです。親が元気なうちに、信頼する家族を預金の代理人として届け出ておくと、後に親の判断力が低下しても、家族が本人のために預金を動かしやすくなります。全国銀行協会も、本人の医療費・介護費など利益が明らかな使途について、柔軟な対応を促す考え方を示しています(全国銀行協会の考え方・2021年2月/2026年6月確認)。ただし対応は金融機関によって異なるため、取引先の銀行に手続きを確認しておくと安心です。


実家そのものの売却に備えるなら家族信託、生活費・介護費の出し入れに備えるなら代理人届出、と役割が違います。「実家をどうしたいか」がはっきりすると、選ぶべき備えも見えてきます。

流山の現場から

日々、流山市でご実家のご相談をお受けしています。先日も、「親が施設に入ったら売るつもり」とおっしゃる方がいらっしゃいました。けれど、お話を伺うと、親御さんの物忘れがすでに始まっている。あと半年、一年と先延ばしにしていたら、売れなくなっていたかもしれない。間に合うかどうかは、本当に紙一重なのです。


備えの話は、つい後回しになります。元気な親に「認知症になったら」と切り出すのは、気が重い。それでも、私(中山)はこう感じています。これは、子世代が早めに動くだけで防げる困りごとなのだと。だからこそ、まずは実家にいくらの値がつくのかを確かめ、家族で話す材料を持つところから始めていただきたいのです。査定の根拠は、すべてお見せします。


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売ると決めたら、税金の「3年の期限」に注意

実家の今後の方針を整理し、見通しを立てる場面(流山市・相続と認知症の備え)

結論:実家を売る方針が決まったら、税金の特例にも期限があることを知っておいてください。マイホームを売ったときの3,000万円特別控除は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。期限を過ぎると、使えたはずの控除が使えなくなることがあります。


親が施設に入り、実家が空き家になると、税金の特例が時間との勝負になることがあります。

代表的なのが、居住用財産を売ったときの3,000万円特別控除です。これは、自宅を売ったときの利益(譲渡所得)から最高3,000万円を差し引ける制度です。以前に住んでいた家屋の場合は、「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売ることが条件です(国税庁タックスアンサーNo.3302/2026年6月確認)。施設入居から時間が経つほど、この期限が近づきます。


親が亡くなった後に相続して売る場合は、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例という別の制度があります。要介護認定などを受けて老人ホームに入所し空き家になっていた家も、一定の要件を満たせば対象になりえます。ただし、適用期限は令和9年12月31日までの譲渡とされています。相続人が3人以上だと1人あたりの控除額が変わるなど、要件も細かく定められています(国税庁タックスアンサーNo.3306・No.3307/2026年6月確認)。


ここでお伝えしたいのは、税額の細かい計算ではなく、「特例には期限と要件があり、売るタイミングで使える・使えないが変わることがある」という一点です。具体的な税額や、ご家庭で特例が使えるかどうかは、税理士へのご確認をお勧めします。相続後に売るときの税金は相続した不動産を売るときの税金で、売却後にかかる翌年の負担は売却後の翌年の負担で、それぞれ詳しくご説明しています。

よくあるご質問

よくあるご質問

Q. 親に少し物忘れがありますが、まだ家を売れますか?

判断力が「ある」と言える状態であれば、売却できる可能性があります。意思能力の有無は、医師の診断なども踏まえて個別に判断されます。物忘れの程度によっては、早めに動くことで間に合う場合があります。まずは現状を整理し、専門家に相談しておくと安心です。 


Q. すでに認知症が進んでいます。実家はもう売れないのでしょうか?

すぐに諦める必要はありません。成年後見制度を使えば、家庭裁判所の関与のもとで売却できる場合があります。ただし、後見人の選任や居住用不動産の売却許可など、時間と手続きが必要です。早めに司法書士・弁護士など専門家にご相談ください。


Q. 家族信託と成年後見は、どちらがいいですか?

一概には言えません。家族信託は柔軟ですが初期費用がかかり、財産管理に特化した仕組みです。成年後見は本人の生活全般を守る制度ですが、家庭裁判所の関与と継続費用があります。ご家庭の事情と「何に備えたいか」によって向き不向きが変わるため、専門家を交えて比べることをお勧めします。


Q. 親が施設に入って空き家になりました。すぐに売ったほうがいいですか?

焦って売る必要はありませんが、税金の特例には期限があるため、全体像は早めに把握しておくのが安心です。あわせて、誰も住まなくなった家は傷みやすく、管理の負担も生じます。まずは価値を確かめ、いつ・どう売るかの方針を立てるとよいでしょう。


Q. 流山市では、どこに相談すればいいですか?

成年後見について公的な相談をしたい場合は、流山市の地域包括支援センター(高齢者なんでも相談室)や流山市成年後見推進センターが窓口になります。申立ての管轄は千葉家庭裁判所松戸支部です。実家の売却や価値については、地域の不動産会社にご相談いただけます(流山市・千葉家庭裁判所/2026年6月確認)。


Q. 親が認知症になる前に、まず何をすればいいですか?

実家にいくらの値がつくのかを知り、ご家族で「いつ・どうするか」を話す材料を持つことが第一歩です。そのうえで、家族信託・任意後見・代理人届出のどれが合うかを専門家と検討します。売る・売らないを、この場で決める必要はありません。選択肢が狭まる前に、知っておくことが大切です。

まとめ

親が認知症になると、実家は「売りたくても売れない」状態になりえます。けれど、順番に備えれば、防げる困りごとです。


大切なのは、時間軸です。判断力があるうちは、家族信託・任意後見・代理人届出という軽い備えが選べる。判断力を失った後は、成年後見という重い手続きしか残らない。そして、売ると決めたら、税金の特例の期限にも気を配る。どれも、親が元気な今だからこそ、落ち着いて選べることばかりです。


焦って決める必要はありません。まずは、実家にいくらの値がつくのか。そこから一緒に確かめさせてください。それが、ご家族で話し合うための、いちばん確かな材料になります。


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本記事に関するご注意

  • 本記事の内容は、執筆時点(2026年6月)の法令・税制・市場動向に基づいています。最新情報は管轄機関の公式情報をご確認ください。
  • 成年後見制度は現在見直しが検討されており、今後内容が変わる可能性があります。
  • 個別具体的な不動産売却・税務・法務のご相談は、宅地建物取引業者・税理士・弁護士・司法書士など各分野の有資格者へのご相談をお勧めします。
  • 本記事に記載された金額・期間・条件は一般的な目安であり、お客様の物件・状況により異なります。正確なお見積もりは無料査定をご利用ください。
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宅地建物取引業 千葉県知事(2)第17957号 合同会社明紗

中山 裕章 流山市・柏市・松戸市・市川市の仲介売却を一貫してご担当します。「他社で断られた物件こそ、まずは明紗に」を掲げ、査定根拠100%開示・最短15営業日決済の体制で、流山の相場感に根ざしたご提案を行っています。一軒に、一つの物語を。

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